地域包括ケアシステムとは

作図 デザイン課・小林早希

 高齢化が進む今後、「地域包括ケアシステム」の導入が必要だと聞くけれど、どういうこと?

サービス五つ 一体的に

 「地域包括ケアシステム」とは、介護が必要になった高齢者も、住み慣れた自宅や地域で暮らし続けられるように、「医療・介護・介護予防・生活支援・住まい」の五つのサービスを、一体的に受けられる支援体制のことだ。

 団塊の世代が75歳を超える2025年に向け、「速やかに導入を」と政府の社会保障制度改革国民会議も報告書で指摘した。病院に長期入院する高齢者が増えれば、必要な治療を受けられない人が増えてしまう。高齢で認知症や慢性疾患を抱えても地域で暮らせる仕組みは、全ての国民にとって急務となっている。

 全世帯に占める高齢者のみの世帯(単身・夫婦)の割合は、10年の20%から25年には26%に高まると予想されている。日常生活に支援や介護が必要な認知症高齢者も、280万人から470万人へ増えるとみられている。

 ただ、高齢者の総数は、ピークを過ぎると長期的には減少していくため、入居型の介護施設を多く整備すると供給過多になることが予想される。厚生労働省の調査では、「介護を受けながら自宅で暮らしたい」と望む高齢者が7割を占めており、政府は在宅介護を軸に整備していく考えだ。

 今後の実現で課題になるのが、医療や介護をはじめ、五つのサービスを必要に応じて届けられる提供体制の整備と、医師や福祉専門職などの連携だ。こうした体制があれば、大病を患った高齢者の多くが早く退院し、リハビリ施設などを経て、再び自宅で生活できるようになる。

 政府は、おおむね30分以内に必要なサービスが提供できる環境を目指しており、各地の地域包括支援センターには調整役が期待されている。

 具体化するには市町村の力量が問われる。東京都世田谷区では、低所得者向けの老人ホームや、空き家を活用した高齢者サロンの整備などが進められている。熊本県上天草市は、高齢世帯に緊急通報システムを設置している。

 在宅介護を広げるには、低所得者も利用できる高齢者向け住宅がまだまだ不足している。また、介護保険財政の逼迫(ひっぱく)が予想されるなか、民間ボランティアの力も必要となる。こうした人材の発掘や育成も急務だ。(樋口郁子)

2013年8月20日 読売新聞)

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