陶 芸…ゆがみも立派な風合い
土に向き合い、作品を生み出す陶芸。
今回の隊員は、大阪府東大阪市の曽根保夫さん(63)、和子さん(58)夫婦。「テレビや映画に登場する陶芸家は格好いいけど、私たちにできるの?」と、JR大阪駅に近い「メイト陶芸教室」(大阪市北区)を訪ねた。
便利な場所だからか、同世代や仕事帰りのOLらの姿もある。「緊張しなくても大丈夫ですよ」と、オーナーの津田和克さん(63)、講師の鈴木理恵さん(31)が笑顔で迎えてくれた。
大切な練り作業
最初は、土の硬さを均一に軟らかくする「荒練り」から。作業台には、レンガより一回り大きい塊が置かれている。信楽産の粘土で、重さは1・5キロほど。茶わんなら3、4個分が作れるという。
まず、鈴木さんがお手本を見せてくれた。足を肩幅に開き、利き足を前に出す。その姿勢で土に向かい、塊の上部を手前に押し下げ、次いで前に押し出す。手や腕だけでなく、体全体を使うのが大切だ。「思ったより硬いものなんですね」。ぎこちなかった2人だが、「船頭が舟をこぐように」と鈴木さんがアドバイスすると、少しずつ動きがスムーズになった。
10分ほど荒練りした後は、粘土から空気を抜く「菊練り」に移る。空気が残っていると焼いた時に割れることがあるため、おろそかにできない工程だ。
手のひらの付け根で塊を押し、少しずつずらしていく。1周すると、菊の花に似た模様が残る。空気を抜きさるには、これを100回以上繰り返す。力を入れすぎて途中でちぎれてしまった保夫さんは、「先生みたいにきれいな花にはならない」と感心した様子。
何度もやり直し
次はいよいよ電動ろくろへ。ここでも姿勢が大切だ。足を踏ん張って体を安定させ、わきを締めて両ひじを太ももにつける。中心に粘土をたたきつけたろくろを回し、十分にぬらした手で上下にしごきながら、空気を抜いていく。円柱状になったら必要な分量の粘土を押し上げ、ここから形を整えていく。
「影絵でチョウを作るような感じで」と鈴木さん。両親指をくっつけ、残る指で土の側面を抱え込むようにする。親指を内側に押し込んでくぼみを作り、親指同士をゆっくり離していくと茶わんの形になるという。
だが、力加減が難しい。恐る恐るといった手つきの和子さんは、「ちっとも器の形になりません」と照れ笑い。保夫さんは
仕上げになめし革をへりに当てて回し、滑らかにする。糸で作品を土台から切り離せば完了だ。何度もやり直したお陰で、保夫さんも和子さんも、納得のいくものができた。
作品は乾燥、素焼き、上薬がけを経て、約1か月後に焼き上がる。完成を想像しながら待つ時間も、陶芸の楽しみの一つかもしれない。2人は「今度は
メイト陶芸教室には「手びねり」(2500円)や「絵付け」(同)、「電動ろくろ」(4000円)など各種の体験コースがある。いずれも作品1点を完成させ、持ち帰ることができる。会員向けの授業は少人数制で、講師1人が5~6人の生徒を受け持つ。問い合わせは同教室(0120・150・696)へ。
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(2012年9月10日 読売新聞)
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