パニック障害(5)新曲発売 被災地で歌う
2012年3月、北島三郎さんがペンネームの原譲二で作詞・作曲してくれたシングル曲「ふる里は いま…」が発売された。
1年4か月ぶりの復帰だった。
番組の収録で、東日本大震災の被災地、宮城県南三陸町でも歌った。
被災したガソリンスタンドの経営者夫婦は地震直後、明かりもない中、携帯電話の着信メロディーで「のろま大将」を聞いていた。
「ぼくの歌でふんばれた人が少しでもいたことがうれしい。もう一度、再出発して歌を届けたい」
6月には生放送のNHK「歌謡コンサート」で歌い、7月には東京・明治座での北島さんの1か月長期公演にも連日出演した。
まだ以前ほどは活動できないが、「先生(北島さん)は『何も心配するな。おれは信じている』といつも優しい。今は歌うことに本当に必死です」と言う。
なぜパニック障害になったのかは分からない。「病気になったのを悪いとは思わない。おかげで人のありがたさがすごく分かった」と前向きに受け止める。
同じ病気で苦しんでいる多くの人に伝えたい。
「コップを動かすことでも字を書くことでも、毎日何か一つでもできればいい。後で振り返ると『何でこんなことができなかったのか』と思えるはずです」(文・藤田勝、写真・佐々木紀明)
(2012年9月6日 読売新聞)
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