石井苗子の健康術
2012年8月21日
24時間テレビに出る年のお盆に感じること

(お盆に戦争について考える、大人の自分探しかもしれません)
今年の「24時間テレビ」に生出演させて頂くことになりました。1978年から続く番組で、以前は進行役をやりたくて、出演者を羨望のまなざしで見ていたのですが、34年が経って、もはやゲストの年齢になっていました。
取材の際、「石井さんはご自身の未来を、どんな風にお考えですか?」。
この歳になってから「未来は?」と聞かれて、面くらいました。今年のテーマは「未来」なのだそうです。「もう、ほとんど人生が終了したようなもんですから」なんて前置きして、「やりたい事からやれる事を選んで、その中で、やるべき事は何かを整理していく歳でしょうね」と、いかにも現実的な答えをしましたが、本音は違うところにあると感じていました。
今年は終戦67年目。その年に生まれた赤ちゃんが67歳。多くの戦争体験者がこの世を去り、長く戦争のない国になりました。お盆になると平和を振り返る。その日本人の習慣に、今年は少し変化があったような気がしました。
尖閣諸島や竹島がニュースで話題になり、強気な発言が目立った。日本は、おとなしすぎるのではないかといったコメントや意見に私は不安を感じていました。心の中で「落ち着け、踊らされるな」と叫んでいたような夏でした。
私の祖父は巡洋艦榛名(はるな)の艦長などを務めた職業軍人でした。亡くなるまで我が家で一緒に暮していたので、夏の戦争特番が流れると、家族はそれとなく気を遣っていました。
私は祖父から戦争話を聞いたことがありません。それどころか、お盆になると小さくなっていたような子供時代の記憶があります。なんとなく、社会から祖父は悪いことをした人と思われているようで悲しかったのでしょう。真実なのだから小さくなってて当たり前だと、成人してから自称平和主義者から面と向かって言われたこともありました。
大学4年生の夏、私は初めて祖父と戦争の話をしました。「英語が堪能だったくせに、なんでもっと早くやめられなかったの」。
孫だからなんでもありだったのかもしれませんが、なんという質問でしょう。ひとりで囲碁をやっていた祖父が、「言葉は話せるだけじゃ、なんの意味もない。相手とコミュニケーションが取れなきゃ役に立ったと言えない。一方的じゃ、暗号みたいなもんだ。」と言ってから、「これからは経済と政治だ。どっちで豊かになるかお前たち次第。ジイちゃんは失敗したから、お先に失礼する」、確かこんな事を言われた記憶があります。
その祖父の長男である私の父は、まさしく戦後の日本経済立て直しのために高度成長期の企業戦士となり、疲弊して早世してしまいました。私の時代になって日本はバブル経済期を迎え、そして今、若者に格差の社会を作り上げてしまった。日本の未来はこれからが正念場だと思います。
祖父が生きていれば100歳以上、父は80代です。奇跡的に二人が生きていたら、尖閣諸島や竹島の問題などについて、私の意見を聞いてもらいたかった。思う存分日本の未来について話がしたかった。
もっと外国とコミュニケーションがうまくなるには、賢くなるには、精神的に強い日本になるにはどうしたらいいか、日本人独特な魂とは何か、そんな議論をしたかった。祖父も父も、私が女に生まれたことをひどく残念に思っていた人たちでした。
女に生まれて良かったことも、つまらなかったこともありましたが、おそらく国際問題、特に戦争について語るには、女はつまらなかったと思っています。平和や愛について何かを強く訴えるには女性の方がよいかもしれませんが、今、女に肉体で出来ることをすべてやり終えた私が、日本の未来に向かって活躍する場面がもしあったら、それこそ夢のような私の未来です。本当はそう言いたかったのだと思いました。
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
編集方針はこちら。
<編集方針>
投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。
コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。
次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。
- 当ブログとの関係が認められない場合
- 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
- 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
- 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
- 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
- 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
- 事実に反した情報を公開している場合
- 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
- メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
- その他、編集スタッフが不適切と判断した場合
以上、あらかじめ、ご了承ください。

コメント
24時間テレビ、石井苗子さんの看護と壮絶な半生、涙でテレビの画面が滲んでいました。私は祖母、両親の介護を仕事をしながら17年間、続けました。
みな最期の時には、医者から延命治療を突きつけられました。辛かったですが管に繋がれこれ以上辛い思いをさせたく無くて、延命はお断りしました。石井さんは妹さんの為に、自分を捨て必死の看護をされた、それが又、今の石井さんを育てたのかと思います。
大事な人を看取った後は、身体が腑抜けの様になりました。自分になにかを持って前向きに生きていかねば、なりませんね。
戦争体験ですが、私は戦後生まれ、祖父母、両親から本当に自分が体験したかの様に聞いて育ちました。
父は海軍で南方の話を、祖母や母は、空襲に合った話を、それこそ何十回と聞きました。このことは私が今の子供や孫達に伝えて行かねばと思っていますが、子供達は真剣ではありません。でも近隣の北や南の島の所有権争いが、平和ぼけしている日本人には、本当にたまらない位に苛立ちます。
主張するべきは主張し、話合うところはしっかり話し合い、自衛もしっかり出来る予算を組んで、自国や国民を、しっかり守って欲しいです。韓国、中国、ロシアと、戦争をしろと言っているわけではありませんが、彼の国は軍備予算は年々増強しているみたいです。震災で弱った日本を、もっと元気がでる様に、何とかしてくださいと言いたい。
本文中に葛藤がありますね。
しかし、本心はどこにありますか?
御承知のように、シリアで女性ジャーナリストが亡くなりました。
フランスのジャーナリストなども亡くなっていたので、死ぬ可能性は高いのは分かっていたはずです。
でも、彼女はシリアに行きました・・・・。
巡り合わせもありますが、多分そちらの方が精神的にメリットが大きかったからでしょう。
ま、チャレンジするにせよ、しないにせよ、石井さんの後悔の少ない未来をお祈りいたします。
「険しき道を敢えて行く」のも一興かもしれません。
各々思考は異なれど、ご自分の考えをもっと全面にだされたほうが云いとおもふ。
戦後社会になって言論統制はない、まして自由闊達に発言できる、自分の信念を貫き貫徹することが冥利です。でも、貴女の思惑どふりに事が運ぶとはいえないかもしれない、自分を抑えず発言する。どこか身を守るところがあるならばそれも否なではなく、だれしも身の保全は考えます。 守る、保全とは相手の意見も聞き同調できることは賛同しつゝもそうでなくとも心に留め置く。固執した意見を一刀両断に切り捨てすつゝるは軽挙で、それも一理あるとおもわねば。折り合うといふことではないです。
わたしは、石井さんは野に埋もれるのではなく国政に参加し遺憾なく自分の理念を言ってほしいです。
現状に甘んじて、それはご自分の志ではないとおもふ。多くの国民に叫ぶ、それがたとえ逆風であろうと一身に受け自説を説き解かっていただく。
わたしは多分、貴女とは意見を異にする考え方ではありますが、それは別です。保守、革新であろうと堂々と意見を言う、その場にいなければ参画に留まる。石井さんにはその度量がある。是非とも考察してほしいです。
わたしはおもったより病が重く、以後執筆は困難とおもふ。ゆえに貴女にはより一層頑張って頂きたいのです。これがLast messageです。