オトコのコト 医師・小堀善友ブログ
2012年8月7日
オリンピックとオトコとオンナ

ロンドンオリンピック、日本人選手のメダルラッシュで連日、盛り上がっていますね。毎晩、テレビ中継を見ている方、暑くて眠れない方も多いでしょう。睡眠不足のかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
オリンピックの競技はほとんど男子と女子に分かれています。男の方が体も大きく、筋力もあるため、スポーツでは女性より有利です。男性と女性を一緒に戦わせたら不公平ですよね。
実は、ロンドンオリンピックから、その性別の判定方法が変わったというのです。
見た目は「オンナ」でも検査は「オトコ」
まずは、こんなお話から。ソウル五輪にも出場したスペインのハードル選手で、Maria Jose Martinez‐Patino(マリア・ホセ・マーティネス-パティーニョ)さんという人がいました。「彼女」は、見た目は完全な女性です。おちんちんはついていませんし、おっぱいもあります。しかし、1985年の神戸ユニバーシアード大会の検査で明らかになったのですが、彼女にはY染色体がありました。
一般的に、人間の体の情報が入っているとされる染色体は46本あります。そのうち44本は常染色体、2本は性染色体です。性染色体とは、性別を決める染色体で、XとYがあります。2本の性染色体がXとY1本ずつなら男性、2本ともXなら女性となります。つまり、マリアさんは染色体検査ではXYでしたので、「男性」となってしまうのです。しかし、なぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか?
ポイントは男性ホルモン
オトコをオトコたらしめているもの…それは、「男性ホルモン」(テストステロン)です。もともと、人間の体は男性ホルモンが出なければ乳房や性器の形は「女性」になります。男性ホルモンが出ることにより、おちんちんができ、ヒゲが生え、体が男らしくなるのです。
マリアさんは完全アンドロゲン不感性症候群(CAIS)でした。実は、体つきは完全な女性であったのですが、彼女の体の中には卵巣はなく、精巣があったはずです。しかし、その精巣から作られた男性ホルモンを利用するためのレセプターに問題があり、男性ホルモンを体で利用することができなかったと考えられます。そのため、体つきが女性となったのです。
男性ホルモンの働きには、筋肉をつくり、その働きを良くする役割があります。そのため、男性は女性よりも筋力があり、スポーツの記録も良くなる場合が多いです。
しかし彼女は、精巣が体の中にあったにもかかわらず、男性ホルモンを利用することができなかったために、体つきが女性となってしまいました。
オトコとは? オンナとは?
では、マリアさんは性別としては男性になるのでしょうか? 女性になるのでしょうか? そもそも性染色体だけで男女を決めてよいのでしょうか?
ロンドンオリンピックまでたどりつきませんでしたが、ひとまず、今回はここまで。次回に続きます。
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コメント
受精してから着床して数週間は男女とも同じだと言われています。その後外性器などの特徴で男、女となるみたいです。
第一次性徴のことですよね。
でも先天的な疾患で出生後に性別の判断に迷うこともあるそうです。もとは同じで成長するにしたがって遺伝子やホルモンと呼ばれる物質で体つきや機能が分化していくからでしょう。
出生届に性別を登録しても、あとから変更もできる時代です。でもなにをもって男の子、女の子というのか。
きっと外性器の違いではと思います。
両方の外性器をもって生まれるお子さんもいると思います。
そのさいは、性別はあとで本人が選べたと記憶しています。
体の性と心の性が不一致ということもあるし。
むずかしいですね。
私が4ヶ月前に出産したとき、看護師さんは「男の子ですよ」と言いました。
おくるみの前を捲って可愛いおチンチンを見たとき男の子だと喜びました。
夫は、初めは「男の子だぞ」と言ったのです。
この子は、もしかすると女の子かも知れないのでしょうか。
本来の五輪って、集う事でしょうね。
その縁的な事を五輪で作っているだけで。
それによってインフラが出来たり、いいスポーツ器具ができたり。
パラリンピックでさえ開催できるまでに発展してこられたんだから。
人権という事を全面に出てくればいいでしょうね。テストステロンの量の測定だけで分ければ単純でいいとは思う。
無差別量が男子。制限量が女子とか。
ドーピングで命を絶った人達の声が今やっと現実になりつつある五輪。
いいとは思う。
銭湯でやったら、すごいでしょうね。
あんたこっちとか。
え~~~~!?
いいの?とか。
幼児のような目で五輪を楽しみたいものです。
男と女では割り切れない境界性の問題が多々あります。
性同一性障害の問題ですが、そこには医学的要因だけで無く社会的や経済的な要因も絡んできます。
個人だけでなく、社会との双方向性の問題をはらんでおり、何とも難しい問題です。
本文中のマリアさんは、妊娠・出産が不可能ですから、競技生活くらい・・・と思わないでもありませんが、それを認めると、そういう人間を作る違法産業の成立を誘発する可能性があります。
日本で平和な生活をしているとピンときませんが、世界ではそういう話はざらです。
社会主義国家におけるスポーツ選手の「製造」には色々な薬剤が使われていたそうです。