医療相談室
- Question
声量が著しく低下…原因と治療法は?
声量が著しく低下し、声がかすれます。また喉の奥に痛みを感じ、耳鼻科を受診し、「異常なし」と言われ、喉の痛み止めの頓服薬が処方されました。しかし、最近はますます声量がなくなり話すことが苦痛になっています。考えられる原因と治療法を教えて下さい。(38歳男性)
- Answer
音声に関する専門病院があるので一度受診を
八木聰明 日本医科大学名誉教授・人間環境大学長
声量が低下することと、声がかれることは一般に別問題です。声がかれるのは、声の基になる声帯の振動に異常が起こった場合です。例えば、声帯に結節、ポリープ、がんなどができたり、強い炎症が起こったり、まひが起こったりしたような異常です。のどの痛み止めと言うことですが、声帯の炎症が原因と思われれば炎症と痛みを抑える「消炎鎮痛薬」というような薬を使うことがあります。
ご質問の最も大きな点は、声量が著しく低下した原因と治療法は何かというところです。しかし、一般的に使われる声量という言葉は、医学的(生理学的)にはありません。対応する言葉としては「声の強さ」があります。ただし、「強い声(大きな声)」は、必ずしも「声量が多い(声量が豊か)」とは言わないので、正確な回答は難しいのですが、感覚的な言葉として声量を捉えて回答します。
声量は、肺からはき出す空気の量(呼気量)に依存します。呼吸の方法には、胸式呼吸と腹式呼吸がありますが、声量は、より腹式呼吸の大小に関係します。声量を多くするには、腹式呼吸を上手く使うようにと言われます。しかし、今回のように急激に声量が低下すると言う状況は、なかなか考えにくい状態です。肺や、横隔膜に急激な異常でも起きたのなら別ですが。
これらのことを総合すると、ご自分で気になっている声量の低下(声の強さの低下に置き換えてもかまいませんが)が、客観的に捉えられるようなものかどうかが大事な点だと思います。耳鼻咽喉科で異常なしと言われたのは、発声にも声帯にも異常がないと言う意味にも受け取れます。
音声に関して特に専門的に取り扱っている病院もありますので、一度受診されたらどうでしょうか。(日本専門医制評価・認定機構協力)
(2012年8月10日 読売新聞)
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