医療相談室

Question

クレアチニン値が1・42、どう対応すべきか

 腎臓機能の悪化具合を示す血液中の「クレアチニン」の値(男性の基準値は0・6~1・2mg/dl)が、徐々に悪化し1・42です。問題はないのでしょうか。進行を止めるにはどうしたら良いですか。(72歳男性)

Answer

中程度の腎機能低下…生活改善で進行抑制も

 渡辺毅・福島県立医大病院糖尿病・内分泌代謝内科教授(福島市)

 「クレアチニン」は筋肉から分泌され腎臓から排泄される物質で、腎臓機能(腎濾過(ろか)量)が低下すると血液中で増加するので腎臓の働きを知るのに簡便な指標です。

 しかし、筋肉量が少ない女性や高齢者では血清「クレアチニン」値は低く、逆に同じ値では男性や若年者に比較して腎機能が低い(悪い)ことになります。現在では、日本腎臓学会が性別、年齢と血清「クレアチニン」値を組み合わせて、腎濾過量を推定する式や表を作っています(興味があれば、日本腎臓学会のHPを参照ください)。

 この式や表からは、ご質問者の1・42mg/dl、男性、72歳という条件からは、推定腎濾過量(eGFR)は約40ml/min/1・73m2程度と思われます。日本人では、正常者の値が80位ですから、腎機能は約半分程度に低下していることになります。

 このような状態は、慢性腎臓病(CKD)の腎機能低下の3期(G3)と言われます。0~5期に別けられる中間ですから、中等度腎臓が悪い状態です。今後、透析が必要になるか否かは、すなわち腎機能の低下の速さは、尿蛋白などの尿検査の結果や腎臓を悪くしている原因疾患で大きく異なります。

 一般的に、現在医学では、この程度のCKDに対しては、生活習慣改善(減塩、禁煙、低蛋白食)と薬物療法で進行を止められる可能性は充分あります。また、CKDは、腎臓だけでなく、心臓や脳の血管障害の原因となることが知られています。

 一度、腎臓内科の専門医(これも日本腎臓学会ホームページに県別に公表しています)を受診して、診断を受け、治療方針を決定してもらいましょう。治療方針が立てば、近所のかかりつけ医でも日常の治療は可能かもしれませんので、面倒がらずに受診してください。(日本専門医制評価・認定機構協力)

2012年8月3日 読売新聞)

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