不妊治療受けた東尾理子さんインタビュー全文(4)がんばった過程は、絶対にプラス

 ――これまで、ダウン症の方とのかかわりはありましたか。

 「大学時代を過ごした米国では、障害施設で遊んだ経験もあります。ダウン症については、ずっと無垢(むく)な子ども、周りを明るくしてくれる子どもという印象です。ダウン症の子が産まれたら、そんな子がそばにいてくれるのかなと思いました。ただ、実際に自分が育てることになったら色々と大変なことがあることもわかっているつもりです」

ダウン症確率公表のブログに大量コメント…単純に驚き

 ――おなかの赤ちゃんがダウン症の確率が82分の1あることを公表したブログ(6月3日付)には5000件を超すコメントが寄せられました。

 「こんなに反響があるなんてまったく予想しませんでした。米国生活が長かったからかもしれません。米国の方が日本よりも障害者が普通に生活しています。大学でもクラスで授業を受けていたり、映画館にいっても普通に溶け込んでいます。障害を障害と思って見ていないので、恥ずかしいと思っていないのです。自分が隠したり、認めなかったりすることは否定することになる。認めてあげて、前進できることではないかと思う。単純に驚きました」

 ――出生前診断は今後、どのように使われるとよいと思うか。

 「今回ブログに書いたことで、今の出生前診断の状況を学びました。胎児に障害があると知って、堕胎されている人もいることを知りました。自分とは違う考えではありますが、人にはそれぞれ置かれた状況とか考え方の違いがありますから、選択は色々あるのだと思います。どれが良く、悪いとは言えないと思います。ですが、私は、出生前に障害があるとわかったことで、生まれた後に健康で幸せな生活が長くできるように技術を使えればいいなと思っています。産まれる前にわかることで、助かる命があるかもしれませんし」

 ――不妊治療を続けている人にメッセージを。

 「私も治療をして感じましたが、結果がすべてではありません。がんばっても必ず報われるものではないけれど、がんばった過程は後々、絶対にプラスです。いい結果がついてこない可能性もありますが、それまでの努力、プロセスが大切です。いい結果が出なかったといって無駄にはなりません」

 「やるだけのことはやったと、自分に自信が持てるようになるかもしれません。また、がんばったけど結果がついてこなかったとしても、そんな自分を受け入れる心のゆとりが得られるかもしれません。努力することはむだになりません。がんばるということばは好きではないのですが、できることを精いっぱいやって悔いのないようにしてもらいたいと思います」(終わり)

2012年7月26日 読売新聞)

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