Dr.北村の「性」の診察室ブログ
2012年7月20日
オトナへのトビラTV「男と女 カラダの謎?」

NHK教育テレビが「Eテレ」と言うようになったのを最近初めて知りました。タレントの有吉弘行さんがマスターをやっている「オトナへのトビラTV」が「男と女 カラダの謎?」を取り上げ、それに協力することになったからです。
夏休み前にはよくある企画ですが、テレビ局に寄せられた性の悩みは、僕が今のような仕事に関わるようになった30数年前とちっとも変わらないことに驚きを隠すことができませんでした。
男性からは「包茎」や「性器が小さい」が話題となり、女性からは「月経が不順」「胸が小さい」が挙げられるのです。異性に対する疑問も同様で、男性から女性には「乳首が黒いのは男遊びが過ぎるから」などと何ら科学的根拠のないことを信じるだけでなく、それを口にしてしまうわけですから、女性としては迷惑な話です。
意外だったのは男性からさかんに「生理の時の痛みって結構辛いのだってね」との問いかけがあったことです。「だから女性に対してもっとやさしく接しようと思いました」の言葉には胸が熱くなりました。僕の高校時代といえば、男子校ということもあり、性的対象として女子高校生を見ることはあっても、彼らの「生理」に対する気遣いなんてこれっぽっちなかったなあと振り返る機会となりました。
女性から男性には、「男はどうしてやりたがるのだろう」とか「ひとりエッチするなんて信じられない」の声。男ということで誰も彼もがそうであるかのような誤解。女性にだって性欲があることを忘れてしまっている発言が気になるところです。
僕自身は、放送された番組をしっかりと見る時間がありませんでしたが、周囲の仲間や、遠方から届いたメールなどから、それなりの評価をいただき、僕自身の役割が果たせたかなと胸をなで下ろしています。
回答はこうです。
| 1. ペニスが小さいことに対して:「持ち物よりも持ち主と心得よう」。もちろんですが、「僕も小さい」という言葉を添えることを忘れませんでした。 2. 包茎について:「僕も包茎です」というように、医者然とした態度に終始するのではなく、自身を告白することがとても大切なようです。「説得力があったよ」の声が寄せられました。「皮がかぶっているのが包茎、剥ければOK」なんですが、仮に手を添えて亀頭を完全には露出できないのであれば、「剥く、洗う、戻す」を数ヶ月繰り返してご覧と、「ムキムキ運動」を勧めました。 3. マスターベーションについて:「僕の高校時代、マスターベーションの最高回数は一晩7回でした」の僕の告白がそのままオンエアされ、これには是々非々の議論があったようです。マスターベーションは性欲をコントロールする効果的な方法だとはいえ、過度なマスターベーションを推奨するようなものだとか、視聴者の皆さんのご意見は様々です。 4. 男性はなぜやりたがるのか:男性ホルモンが性欲ホルモンとか愛情ホルモンとか言われていますが、男性の場合12歳、13歳頃から急激に男性ホルモンの分泌量が増え、20歳くらいにピークを作ると言われています。言い換えれば、高校生は男性の人生の中で性欲の絶頂に向かっているわけです。女性ホルモンが優位な女性の場合には、相対的に男性ホルモンが抑えられ、高校生の頃の男女の性欲レベルには大きな開きがあります。だから、性欲モリモリの男性の隣で、「私はあなたの近くにいられさえすれば幸せなの」などと暢気な態度でいる女性が少なくないのです。 5. 月経周期が不安定だという女性に:日本産科婦人科学会編用語集には、「(月経周期とは)月経開始日より起算して、次回月経開始前日までの日数をいう。正常範囲は25~38日の間にあり、その変動が6日以内である」と書かれています。月経が不順だという女性の中には「周期は28日だ」と決めつけている方がいらっしゃいます。そのような女性には、今一度月経周期日数を計算してもらうと、不順ではなかったことに気づくことになるかも知れません。 |
『オトナへのトビラTV 男と女 カラダの謎?』
http://www.nhk.or.jp/otona/p2012/120712.html
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- プロフィール
- 北村邦夫(きたむら・くにお)
- 自治医科大学医学部卒業後、産婦人科医として保健所など衛生行政の分野で実績を積み、1988年から日本家族計画協会クリニック所長。
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コメント
性というものを、語り継がなくなってきているのでしょう。
性の悩みが同じで推移している現状では。
まったくその個人が孤独に学ばないと、いけない世界みたいなところもあるのでしょう。
母から娘への語り継ぎとか。
男は、いろいろな所から女性とはという事を。
あと、先生の本で、性に対して2極化がはっきりしてきている傾向がみられるというのも問題ですね。