医療相談室

Question

「副鼻腔真菌症」再手術で治るか

 「副鼻腔(びくう)真菌症」と診断され、手術を受けました。奥の方が取り切れていなかったので、再手術の予定です。どのような病気なのか、再手術で本当に治るのか教えてください。(64歳女性)

Answer

菌球が摘出できれば数か月後

 (おおとり) 信義 東京慈恵医大病院 耳鼻咽喉科准教授 (東京都港区)

 副鼻腔真菌症は、呼吸に伴って鼻から侵入してきた真菌(カビ)が副鼻腔(頬や額など鼻の周囲にある空洞)で引き起こす病気です。鼻かぜなど感染による副鼻腔粘膜の機能低下、糖尿病や腎不全などによる免疫状態の悪化、抗菌薬やステロイド薬の長期投与などが発症に関わります。

 カビが菌球という塊を副鼻腔内で作り、その周囲に(うみ)がたまるのが真菌症の典型的な状態です。片側の頬の空洞に生じやすく、慢性的に進行し、粘り気の強い鼻水や頬の痛みなどが表れます。全身状態が悪くなると、急激に目や頭の中にまで病気が進み、失明や死に至る危険な状態になることもまれにあります。

 外来での内視鏡検査で菌球が見つかることもありますが、通常はコンピューター断層撮影法(CT)の検査で診断します。一般的な副鼻腔炎(蓄膿(ちくのう)症)と違い、副鼻腔真菌症は抗菌薬の内服や吸入療法などの効果が乏しく、手術を行います。

 手術は、内視鏡で見ながら、鼻の穴から副鼻腔内の菌球を摘出し、周囲の膿や粘膜の腫れを取り除きます。通常は術後2~3か月で治りますが、菌球が完全に摘出できないことも少なからずあります。

 このような場合は症状が消えないため、再度、手術で摘出する必要があります。再手術で取り切れなかったら、内視鏡手術の経験が多い病院に転院するのも一つの方法です。緊急性はないので、主治医とじっくり相談して治療方針を決めることをお勧めします。

2012年7月25日 読売新聞)

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