宋美玄のママライフ実況中継
2012年6月27日
バースプランは「未来予想図」か

この間、娘がソファから落ちてしまいました。
ソファの上で転がる娘と遊んでいたら、一瞬目を離した隙に床に落ちてしまいました。娘は号泣しましたが、その後、特に変わったところはありませんでした。
夫に話したら、「その後に吐いたりしていなければ大丈夫じゃない?」とあまり心配していない様子。ところが、翌日に職場で看護師さんに話したら、「え、CT撮らなかったんですか?」と言われました。
私としてはちょっと頭を打つ度にCTを撮っていたら被曝量が多くなってしまうので、もっと高いところから落ちたり、意識を失ったりした時だけでいいと思うのですが、やはり「心配だからCTを」という人は少なくないのでしょうか。東日本大震災以降は減っているのではないかと思っているのですが。
それよりも、ますます動くようになってきたので、今後は娘から目を離さないようにしないといけませんね。
バースプランとは
先日、ヨミドクターでお世話になっている読売新聞社の医療情報部に遊びに行ってきました。何人かの記者さんとお話ししたのですが、皆さんとても良く取材しておられて、医療業界のことを良くご存じで嬉しく思いました。出産や子育てのこと、出生前診断のことなど話題は尽きなかったのですが、「バースプラン」について話題になったのでこちらで取り上げてみたいと思います。
バースプランとは直訳すると「出産の計画」ですが、どんな出産にしたいか、自分が出産について抱いているイメージ、不安、要望などを医師や助産師に伝える文書を言います。私が今まで働いたことのある施設では、取り入れているところといないところがありましたが、近年増えている印象があります。
バースプランの具体例について書かれている雑誌やサイトをみると、「陣痛室でアロマを炊きたい」「夫に立ち会って欲しい」というものから、「会陰切開はしたくない」「陣痛促進剤は使わないで」「吸引分娩はしたくない」というような医療行為に対する要望までありました。
出産は「朝食の注文」ではない
このような文例が雑誌やインターネットに載っているのを見るのは一度や二度ではないので、誤解しておられる方も多いのではないかと思いますが、会陰切開も陣痛促進剤も吸引分娩も、日常的に行う医療行為ではありません。必要だと判断された場合のみ行われる行為です。それらのおかげでひどい裂傷になるのを防げたり、帝王切開にならずに済んだりするのです。
バースプランに「受けたくない」と書いておけば、医療介入を受けずに出産できるというものではありません。なんだかバースプランを「アメリカンブレックファストの卵料理や肉料理の希望」のように、希望すればその通りになるものだと誤解させている記事が多く、困惑することがしばしばあります。
お産文化を反映?
私が産んだ病院ではバースプランを書かされたりはしなかったのですが(もしかしたら、私だけ省かれていたのかもしれませんが)、出産経験のある人たちに話を聞いていると、バースプランに関するとらえ方は様々です。「出産は本来、動物的なものです…」と自身の出産論をレポート用紙3枚に渡って提出していた友人もいますが、「やったことがないので何を書いていいのか分からない」という人も多いです。
今までに映画やドラマ、漫画や小説、テレビや本やインターネットなどで見聞きした、出産に関する情報をもとに作り上げた自分のイメージを書く人が多数派ではないでしょうか。つまりバースプランは日本におけるお産の文化を反映するという一面を持つと私は捉えています。
出産を怖れるあまり、向き合うことから避けている人や、すべて病院に任せれば「産ませてもらえる」と思っている人がいるなら、出産前にバースプランを書いてみるのはプラスになると思います。
私の経験では、情報収集に熱心な人ほど出産について偏ったイメージを持ち、「私らしい出産」「私だけの出産」というこだわりの強いバースプランを書く傾向にあると思います。次回は「私らしい出産」とは何か、掘り下げてみたいと思います。
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コメント
母親学級で無理矢理書かせられましたが、結局、子宮口バルーン→陣痛促進剤→人口破水→(帝王切開にするか医師が話し合い)→吸引分娩→会陰切開というコースで、判断に誰かが口を挟めるような状況ではなく、バースプランどころではありませんでした。
プランを書かされている時点で「でも実際の出産になったらそれどころじゃないんじゃないの?」と疑っていたので、あまりショックもありませんでしたが、退院前に「バースプランに書いたことを実現できましたか?」とか、くだらないアンケートを書かされて本当にうんざりしました。
妊娠は計画するものですが、出産というのは計画するものではないと思っています。想像する分にはいいですけど。
いろいろなHPにバースプランを作ってみようと書いてあります。が、私は医者から特に作るように言われなかったし、正直帝王切開にしろ、誘発剤にしろ医者が必要だと判断したら、やってもらえばいいと思っている人なので、書けと言われても書けないと思います。信念がある人は、書いたら聞いてもらえると思うのかしら。医者からの丁寧な説明が必要ですね。
乳幼児期に頭部CTを撮る状況というのは、それなりの危険が迫っている状況であり、生涯が約束されない状態だということを忘れてはなりません
必要な検査をしない害の方が大きいということを考えて、医療検査が行われます
検査程度の低レベル放射線で腫瘍が発生する確率が上がるかどうかなんて誰も知りません。御指摘の数字は、閾値なし理論を当てはめれば・・・という仮定の上に数字を掛けただけのものです
放射線管理のための基準を、健康への影響基準と読み違えるところに素人の誤解があります。
情報収集をしても、情報処理能力が無ければ、その結果は悲しいものとなりかねません。素人さんに置かれましては信頼できる医師を見つけることが、自分で医療情報を集めるより大事になります。
乳幼児期の頭部CT一発で生涯に脳腫瘍が発生する率が300-500人に一人くらい増えるってのもあります。今とはCTの性能や被ばく量もかなり違うので数字としてあてになるかはあれですが、結構馬鹿にならんと思っておいたほうがいいんじゃないかと思います。