医療相談室
- Question
脳幹出血後20年以上、両目で焦点が合いにくい
23年前に脳幹出血を起こし、入院・転院ののち、現在は装具・杖が離せない毎日です。発症してからは乱視が激しく、現在は眼鏡に乱視・プリズムレンズを入れて強制的に焦点を合わせています。最近ですが、片方の目をつむった場合、首を振って左から右へ、右から左を見ても焦点がすぐに合います。しかし、両目で見ると焦点がすぐに合わず、何となくふらつく感じがします。早めに眼科の診察を受けた方がいいでしょうか。(57歳男性)
- Answer
眼科で精密検査を受け、手術の適応を相談して
溝田淳 帝京大学医学部眼科講座主任教授(東京都板橋区)
一般に、患者さんが、焦点が合わないというとき、光学的に焦点が合っていない場合と、この方のように、目の動きが悪くなって、一つのものを見るときになかなか軸が合わないような時があります。
眼球というのはヒトでは6つの筋肉で動かされて、それを支配するのは、動眼神経、滑車神経、外転神経という3つの脳神経です。この3つの神経は脳幹から出ています。ご相談の方の場合、脳幹出血があったとのことで、これらの神経が障害を受けて、眼球を動かす機能に異常が出たために、プリズムレンズを入れて強制的に視軸をあわせるようにしているのではないかと思われます。
このような状態ですと、片眼ではよく見えるし問題はないのですが、両方の目で見たときに、2つに見えてしまうことがあります。脳幹出血の関係で、時間の経過と主に症状が改善することもありますが、ある程度固定した状態で手術が必要になることもあります。
この方の場合、脳幹出血から時間がたっているので、急ぐ必要はありませんが、一度眼科を受診して、視軸のずれの程度や、手術の適応に関してご相談なさったほうがいいかと思われます。(日本専門医制評価・認定機構協力)
(2012年7月6日 読売新聞)
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