宋美玄のママライフ実況中継

2012年6月20日

夜に高熱! 救急に行くべきか

 
足ぐせが悪いけど、あんよが可愛い娘です

 梅雨入りし、子連れで出かけるには憂鬱な季節になりました。雨の日にベビーカーで出かける時は傘を差しながら押すことになるのですが、片手だと操作しにくいです。抱っこひもで抱くと、傘は差しやすいですが、荷物が多いと肩に負担がかかりすぎて辛いです。登山用品店でゴアテックスのポンチョを買おうと思いながら、忙しくて時間が作れません。皆さんはどうされているのでしょうか。

 先日、娘が高い熱を出しました。その前の週にも生まれて初めて39度近い熱を出し、一晩で下がったのですが、それから10日ほどでまた発熱したのです。夕方から熱が出始め、夜には39.5度に達しました。哺乳力は良く、おしっこもたっぷりしていたのですが、熱がどこまで上がるか分からず不安になりました。義弟が小児科医なので聞いてみてもよかったのですが、自分自身が友人知人から医療相談をひっきりなしに受けているので、熱が出るたびに電話したりしては迷惑だろうと想像して遠慮しました。

深刻な小児医療の危機

 産婦人科医不足、産科医療崩壊は肌で感じてきた私ですが、小児医療もまた危機に瀕していると日々報道を目にします。夜間救急の患者の多さが、小児科医の勤務を非常に厳しくしています。義弟には「産婦人科の当直なんて寝てるだけやん、小児科は夜通し外来してる」と言われた事がありますが、小児科当直に比べれば度々仮眠できる産婦人科当直なんて楽なもんだと思います。まあ、まさに「目くそ鼻くそを笑う」の次元ですけれども。

 核家族化で子育て経験のある人と同居していないこと、共働きが増えて通常の診療帯に受診出来ないこと、子どものこととなると心配が大きくなることなどから、休日や夜間の小児救急外来の負担は増えています。それが小児科医不足に拍車をかけ、悪循環になっているのは産婦人科医不足と同じ構図ではないでしょうか。小児の場合、自治体の補助などで医療費の自己負担が無料もしくは非常に少ないことから、気軽に受診しやすいことも無視できないと思います。少子化対策のための「小児医療無料化」なのでしょうが、小児科医には優しくない結果になっているようです。

ネットで調べました

 そんな訳で自分が小児医療に負担をかけてはいけないと思い、インターネットで夜間救急を受診する基準を調べました。「知ろう!小児医療 守ろう!子ども達」の会のホームページからリーフレットをダウンロードして読んだところ、夜間救急にいく必要がないことがわかりました。日本小児科学会の「こどもの救急―おかあさんのための救急&予防サイト」では詳しく症状を入力して判定してくれるのですが、夜間は様子をみて良いということでした。

 翌朝には熱は37度台に下がっていたのですが、調べたサイトには「様子をみながら翌日の通常外来へ行きましょう」ということが書いてありました。夜間救急にいく基準は分かったけど、小児科を受診しないといけないかどうかの基準がわからなかったので、土曜日の朝ということもあり、予防接種でかかりつけの小児科へ行きました。

 その小児科の受付はドクターの奥さんで顔見知りなのですが、「あらまあ、熱だけで元気そうなのに来られたの。産婦人科医でも子供のことはわからないのねえ」と言われました。診察を受けたところ、なるべく検査に頼らず、基本的な診察で診断してくれました。連日、保育園に通っていて喉がちょっと赤いから風邪だろう、何もしなくていいと言われ、念のため解熱剤を処方されました。

 子供のことは心配だけれども、なるべく小児科医療に負担はかけたくない。でも自己判断で手遅れになるのは一番困る…。その結果、今回は通常外来を受診しました。こうやってあたふたしながらも、わが子の状態をだんだん把握していくのだと思います。


【参考サイト】
「知ろう!小児医療 守ろう!子ども達」の会
http://shirouiryo.com/

こどもの救急―おかあさんのための救急&予防サイト
http://kodomo-qq.jp/

コメント

解熱剤を多めに処方してもらっています。
[kakomuku]2012年6月27日

高熱が出たという理由だけでの夜間診療は迷惑、とはよく聞く話です。

娘の主治医の先生は、夜中に高熱が出た時のために、解熱剤(座薬)を多めに処方してくれて、家の冷蔵庫で保管しておくことを薦めています。

実際に夜中に高熱が出たのは1度だけですが、家にあった解熱剤ですぐに熱が下がり、翌日に落ち着いて受診することができました。

「ネットなどの情報に頼らずすぐに受診を」と呼びかける医師が多いのも事実ですから、もし夜間診療をなるべく避けたいのであれば、家庭で夜間の高熱を乗り切れるような対策を普段から患者に薦めれば良いのではないでしょうか。

患者側も、子供を心配する気持ちは理解出来ますが、小児科医に全て任せるのではなく、自分でできる対策を普段から勉強することも大切だと思います。

ふむふむ~
[チチカカ]2012年6月22日

こどもの救急―おかあさんのための救急&予防サイト
いいですね。為になります。
そして
医療関係者なら当たり前に知ってることが、そうでないわたしたちは知らない事が多いです。

夜間小児救急電話相談に電話して、それから必要なら受診!
それを知らなくてただ発熱すれば救急外来へ行く親も多いです。
知らないことがしてしまうことです。
可愛い我が子が苦しんでるし・・・。
高熱ってなると焦ります。万が一ってこともあるし・・・。
自分なら我慢できてもあかんぼうには我慢させられないと思います。

救急外来の現状とか相談窓口があるとか知らな過ぎるんだなと気付きます。

医療関係者の方々には出産や子どもが入院したときに、本当に助けてもらったなぁと思います。
患者になる側もやれることはやらねばな~と思います。

これからも
赤裸々実直コラム楽しみにしてます。

夜間受診しました・・・・
[ちょび太]2012年6月22日

先生たちの話していることは良くわかります。
私も1歳になる子が週末発熱をしてしまい、どうして良いのか不安になり、明日は休日。休日のあいている病院もわからないし・・、夜間に受診して大丈夫ですよ。様子見ましょう。の一言でこちらも安心するのです。が、先日にいき、診ていただいた先生は端々に迷惑の二文字。このくらいで来たの???人の子に向かって、まして患者に対してこのくらいとは何???
先生たちの言い分もわかりますが、まずは対応の仕方を考えて欲しいものです。
親としては手遅れの熱になるのでは??とか、異常が今から出るのでは??など考えるものです。言い方一つで親の私たちは安心します。
こんな熱で、こんな症状で・・と思いでしょうが、親の気持ちもわかって欲しいと思います。

ありがとうございます
[義弟さんの友人]2012年6月20日

小児科医の僕としては、先生のお気遣いと対応に感謝致します。
先生のようにネットなどで調べて冷静にお子さんの状態を判断され、翌朝受診していただけると本当に助かります。
報道等のおかげで、安易な小児科の夜間受診は、以前よりは減った様な印象を個人的には持っています。(むしろ産婦人科のほうが大変なのでは…。)

ただ、子供の発熱や嘔吐などで不安でたまらなくなってしまい、夜中に受診するお母さん、お父さんのお気持ちは、とてもよく分かります。
医療関係者でも慌てて来られることは少なくなく、子供を心配する気持ちは、必ずしも知識で解消されるものではないようです。
僕でも、夜中に子供が高熱でフウフウしていて、妻から「本当に大丈夫なの!」と詰問されると、若干動揺してしまいます。
そういう受診の対応では(精神的には)あまり疲れませんし、安心していい旨をお話しして、今後の受診の指標を教えるようにしています。

腹が立つのは、先生も御指摘の通り、「空いてるから」とか「明日は忙しいので」などの理由で、軽症と分かっていながら夜中にくる人たちです。
だいたい御家族の態度でそういうのは分かりますし、たまにはっきり言う人までいます…。
これが本当に「不要な」受診だと感じます。
小児科全体のことを考えて、時々意見するのですが、大抵は全く噛み合わず、本当に疲れます。

子供は病気の進行が早く、本当にしんどい子が夜中に受診してくるケースは時々あります。
なので悔しいですが、いわゆる「不要な」受診が許される体制は、今のところ必要悪であり、受診の敷居を高くするべきではないかと思います。
先生のように、お子さんの状態を少し冷静になって把握していただける環境を充実させていくことが、子供たちにも小児科医にも優しいのだろうと感じました。
長文失礼しました。

仕方なく、救急外来に行きました
[cocue-cocue]2012年6月20日

できれば診察時間内に行きたいものですが、そうとも言えないのが週末の発熱です。

私の暮らす自治体は、医師会による土日祝日の当番医制度があるので、あるときお世話になろうと電話しました。
一番近い当番医は、何度かけても留守電メッセージが流れるばかり。

少し離れた当番医に電話すると、院長が出てきて住所を聞かれたので、町名をいうと「どうしてうちに電話したのか。近くに別の当番医がいるはずだ」実は自治体には二つの医師会があり、私の住まいはその当番医の属する医師会の管轄外だったようです。

挙げ句の果てに「子どもの対応はうちには無理。区内の医大の病院に行け」とまで言われてしまいました。

我が家の最寄りの小児科も、二番目に近い小児科も、実は大学病院です。結局、二番目に近い大学病院の救急外来にお世話になりました。

はじめから近所の大学病院に行く方が便利でしたが、迷惑になると思ったのでわざわざ(家からは遠いのに)診療所を探して連絡したのが、この顛末です。

これで赤ちゃん連れのコンビニ受診と非難されるとしたら、納得がいきません。
地域診療の充実を真剣にはかってほしいと願ってやみません。

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
 編集方針はこちら

コメント投稿

(必須)
※20字以内
    
(必須)
※20字以内
    
(必須)
※800字以内

    

<編集方針>

 投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。
 コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。
 次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • 当ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

 以上、あらかじめ、ご了承ください。

プロフィール
写真
宋 美玄(そん・みひょん)
産婦人科医、性科学者。
 
1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら
 
このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)について、詳しくはこちら
最新エントリ
最新コメント
カレンダー
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
バックナンバー
本文ここまで
このサイトの使い方

ニュースなどはどなたでもご覧になれますが、医療大全や病院の実力、マークのついたコーナーは有料会員対象です。

読売デジタルサービス

読売新聞では、ヨミドクターに加え、様々なデジタルサービスを用意しています。ご利用には読売IDが必要です。

頼れる病院検索

地域や診療科目、病名など気になる言葉で検索。あなたの街の頼れる病院や関連情報の特集を調べられます。

プレゼント&アンケート


「健康診断・人間ドック直前対策マニュアル」5名様にプレゼント。


YOMIURI ONLINE新着情報
yomiDr.記事アーカイブ

過去のコラムやブログなどの記事が一覧できます。

読売新聞からのお知らせ

イベントや読売新聞の本の情報などをご紹介します。

子育て応援団
ヨミドクター Facebook
お役立ちリンク集

すぐに使えるリンクを集めました。医療、健康、シニアの各ジャンルに分けて紹介しています。

発言小町「心や体の悩み」

人気の女性向け掲示板「発言小町」の中で、心や体の悩みなど健康について語り合うコーナー。話題のトピは?


 ・生理前のイライラについて

 ・食欲が落ちない中年女性(悲)

薬の検索Powered by QLifeお薬検索

お薬の製品名やメーカー名、疾患名、薬剤自体に記載されている記号等から探す事が出来ます。
⇒検索のヒント

yomiDr.法人サービスのご案内

企業や病院内でも「yomiDr.(ヨミドクター)」をご利用いただけます。

yomiDr.広告ガイド

患者さんから医療従事者、介護施設関係者まで情報を発信する「yomiDr.」に広告を出稿しませんか。

PR
共通コンテンツここまで