Dr.北村の「性」の診察室ブログ
2012年6月15日
虐待を受けたことがある日本人5% 
このブログでもしばしば登場する「第5回男女の生活と意識に関する調査」。2010年の9月に全国3000人を対象に実施し、最終的には1540人(男性671人、女性869人)から回答を得たものです。層化二段無作為抽出法という調査手法を用いてサンプルを抽出しておりますが、これは全国をいくつかのブロックに、さらに人口規模別に分け、150の市区町村を無作為に抽出し、住民基本台帳を使って20人を抽出しています。対象者が確定した段階で個人宅に調査員が訪問し、調査票を手渡し、回収に伺うという、とにかく厄介な方法で行うわけですから、調査結果の信憑性は群を抜いているといっても過言ではありません。
その調査の中で、日本人の虐待の実態をも明らかにしています。最近では児童虐待相談が急増していること、虐待児死亡の原因が望まない妊娠・出産であることなど、児童虐待に関心が向けられていますが、実際に、どれくらいの日本人が虐待被害に遭っているのかなどの具体的な数を調査したという研究はほとんど見当たらないこともあり、この結果にメディアが注目することになりました。
「18歳くらいの頃までに、両親や同居していた方から虐待を受けたことがありますか」の問いに、回答者全体の5.0%(男性2.2%、女性7.1%)に上っていました。5歳階級でみると、男性で経験率が一番多いのが「40~44歳」3.1%、次いで「30~34歳」「45~49歳」2.9%、女性では「35~39歳」「45~49歳」9.9%、「25~29歳」8.1%。年齢によるこのような違いが起こっている理由を簡単には説明できませんが、女性が男性に比べて被害に遭っている割合が多い実態が明らかにされています。
「ある」と回答した方に、その内容を尋ねますと、「心理的な虐待(子どもの心を傷つけるようなことを繰り返し言うなど)」が最も多く66.2%(男性53.3%、女性69.4%)、次いで「身体的な虐待(殴る、蹴る、熱湯をかける、たばこの火を押しつけるなど)54.5%(男性80.0%、女性48.4%)、「養育の放棄(ネグレクト、食事を与えない、長時間放置するなど)」15.6%(男性13.3%、女性16.1%)、「性的な虐待(性的な行為の強要、性器や性交を見せるなど)」11.7%(男性0%、女性14.5%)となっています。
虐待されたか否かについては、当事者の受け止めの問題があるかも知れませんが、虐待を受けたことがあると回答した人たちが、長年にわたって心のトラウマに苦しめられている可能性を否定できません。
表は「18歳くらいの頃までに、両親や同居していた方から虐待を受けたことがある」人の特徴をまとめたものです。因果関係を明らかにすることはできませんが、虐待を受けた側と虐待した側の人間関係を感じさせる結果とは言えないでしょうか。
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- プロフィール
- 北村邦夫(きたむら・くにお)
- 自治医科大学医学部卒業後、産婦人科医として保健所など衛生行政の分野で実績を積み、1988年から日本家族計画協会クリニック所長。
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コメント
私も幼児期より実父に殴る蹴ると罵声を浴びてきました。最後にはボケて他界しましたが、「こんなハズではなかったのに」の男のプライドがこういった行動となって現れたのでしょう。そういったプライドですから、人様の前では優しい親を演じてきました。母は今では珍しくはありませんが、父の代わりに女がまだ外で働く時代ではなかった頃から働きに出て、職場では、今でいうパワーハラスメントと家庭での父の暴言にかなり早くに他界してしまいました(母には殴る蹴るはしなかった)。
現在では、田舎でも隣の家の異変にも何もできない事が多いのが事実です。あえて、接することとすれば、異変を感じる子供に、笑顔で暖かく話しかけることしかできません。
十数年前から、学校でもいじめに対する相談室のような所を設け、退職された教師等が教育委員会から派遣されてましたが、本当にいじめに耐えている子供たちはそんなところに行きません。
教師も、その空間だけしか知らない人が多いためか、子供たちの方がまともな考えをもった子が多かった(中学校)教師や相談室よりも、第三者的な用務員さんや司書等が見つけやすいし、又、そういった方のまわりに集まりやすい子供に多いと思います。現在は、地域文化交流として、地区内のお年寄りが訪問されてますが、そういった場所をもっとうまく活用してほしい。いじめっ子は。我が父のように教師の前ではイイ子演じてます。
問題に発展して解決に至る道は要素がひとつ増える事で複雑になりそう。
そんな感じがする結果ですね。
生い立ちと相手など原因が増えればその解決への順列は膨大。
両親の生い立ち、その間の環境、妊娠した時の心境、分娩後の経済状態、etc。
パターン化したり、グループに分けるのも大変そう。
宇宙にあるすべての星をひとつひとつ相手にするみたいな作業でしょう。全部影響しあっているので複雑ですね。数学に強い方の協力も必要では?
日本人の5%が助ける側にまわればいいのに。
という簡単な事でもないでしょう。
先生も仰る通り、感じ方もあるし。
難しい問題ですね。
自意識が強すぎるとか弱すぎるとかも原因なんでしょうか。程々過ごす、自然界の生き物のように当たり前って感じで過ごせる日はいつくるのでしょう。