配食サービス 上手に活用

栄養計算済み/「見守り」兼ねる

弁当の配達担当者と体調などを話す高野さん。「毎日楽しみにしています」(千葉県松戸市で)

 自宅に食事を届けてくれる「配食サービス」が多彩になってきた。体力が衰え、料理や買い物が困難になった高齢者の健康維持に役立つという。栄養バランスに配慮したものを選び、健康状態や生活スタイルに合わせて取り入れたい。

 千葉県松戸市の高野寿()みさん(90)は一人暮らしで、足腰が不自由なため自分で買い物に行けない。そこで昨年11月から、地域の生活協同組合「パルシステム千葉」の配食サービスを利用している。

 同生協では、食材を15品目以上使用した総菜6種類のおかずセット(5日分5食で2850円)と、ご飯と5種類のおかずが入った弁当(同2700円)を毎日配送(土・日曜日を除く)。冷蔵して届けられるので、電子レンジで温めて食べる。「火事が心配で火を使う調理ができないので、ありがたい。献立も豊富なので毎日でも飽きません」と高野さん。

 配食サービスは調理済みの食事を冷凍や冷蔵して定期的に配達するサービス。1週間分をまとめて注文するものと、1日単位で頼めるものがある。配食業者の検索サイト「配食ねっと」によると、価格は1食500円程度が多く、糖尿病食や嚥下(えんげ)が困難な人向けの食事もある。ワタミグループの「ワタミの宅食」や、セブン―イレブンの「セブンミール」のように全国的に展開している事業者もある。

 高齢者の「見守り」を兼ねた配食サービスもある。約200食を配る東京都世田谷区の民間団体「老人給食協力会ふきのとう」は、利用者から緊急連絡先を聞いておき、「弁当が置きっぱなし」「家の中からうなり声がする」など異変があれば、連絡を取る。

 こうした地域の民間団体で組織する「全国老人給食協力会」(東京)は「サービスの選択肢が増えているので、自分の好みや体調、生活状況にあったものを選びましょう」とアドバイスする。介護保険外のサービスだが、事業として取り組む自治体もある。地域で利用できる配食サービスについては、居住自治体の「地域包括支援センター」に問い合わせるといい。

 こうした食事では栄養面が気になる。「栄養計算がされている食事の宅配を頼み、不足しがちなビタミンやミネラルなどをしっかり摂取しましょう」と女子栄養大短期大学部教授の岩間範子さん(栄養学)は話す。

 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、70歳以上の男性は1日のエネルギー必要量が2200キロ・カロリー、女性は1700キロ・カロリーなので、1食500~700キロ・カロリーのものを選ぶ。ご飯のないおかずだけの商品なら、300~500キロ・カロリーを目安に。この基準では、塩分の目標量は、男性が1日当たり9グラム未満、女性が7・5グラム未満なので、1食3グラムを目安にする。

 「味覚が衰えると濃い味を好みがちだが、調味済みの宅配の食事に調味料を足さないように」と岩間さん。これからの季節は、食べ物が傷みやすいので、保管にも注意したい。「体の機能を低下させないためにも、自分で料理する努力もしてください。ご飯は自分で用意しておかずだけ注文するとか、体調が悪いときだけ配食を頼むなど、体力に合わせて補助的に活用するといいでしょう」

2012年6月15日 読売新聞)

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