[なっ解く]マンション「騒音」で苦情
あいさつと説明で防ぐ
マンションの日常生活で出る足音や声について、「騒音」だと苦情を受けることがある。隣や階下に事情を話しておけば、トラブルを防げる場合も多く、適度な近所づきあいを心がけたい。
人によって気になる生活音は様々だ。マンション建設・販売などを行うリブラン(東京)が2007年に分譲マンション在住者約400人に行った調査では、気になる音として、子どもの走り回る音や騒ぎ声、大人の騒ぎ声や歩く音、日曜大工の音、掃除機の音、玄関ドアの開閉音、イスを引く音などを挙げる人が多かった。
生活音に詳しい八戸工業大教授の橋本典久さんは、「騒音と感じるのは心理的な要因が大きい。よく知る相手ならうるさく感じないが、人間関係が希薄だと、ちょっとした音でもうるさく感じてしまうことがある」と指摘する。
「子どもに関する音の苦情で悩む母親が多い」と指摘するのは、母親の近所づきあいなど対人関係の相談を受けることが多い臨床心理士の高木紀子さん。「普段からお互い顔が分かるような関係を作っておくとトラブルも防ぎやすい」と強調する。
マンション入居時は、隣だけでなく、上や下の階にもあいさつする。「何もわからないのでいろいろ教えて下さい」と腰を低くして接する。さらに「子どもが小さくてご迷惑をかけるかもしれません」とか、「仕事で帰りが遅くドアの音などがするかもしれませんが」と生活事情を説明しておくことを勧める。エレベーターなどで会う機会があれば、あいさつする。
一方で、親しくなってあまりにも遠慮が薄れると、トラブル時に修復できないほどの険悪な関係になってしまうことがある。「親しくなっても、節度と礼儀をわきまえてつきあって」と高木さん。
では、トラブルになってしまった時にはどうしたらいいか。苦情を言われた時に感情的に反発するのはこじれるもと。いつどんな音が気になるかを具体的に聞き、できるだけ速やかに対応する。
「苦情を言う側が感情的になり、当事者同士では話し合いができないこともある。その場合は管理組合など第三者に間に入ってもらうのがいい」と全国マンション管理組合連合会(京都)事務局長の谷垣千秋さんはアドバイスする。
生活音は、音を減らせる場合と、生活上どうしても生じてしまう「お互い様」の場合がある。管理組合が、苦情を言っている住民に、どの時間帯で、どのぐらいの頻度で音が聞こえるかを聞き、音を出している側からは家族構成、生活状況などを聞きとって、改善してもらう点を伝える。
マンションの構造上、音が出ないよう注意しても限度がある場合などもあり、そうしたことも管理組合から伝えてもらう。
谷垣さんは、「深夜に洗濯機を回さないといったルール集やマナー集を管理組合で作るとトラブルを防止しやすい。新しい入居者にも説明し、マナーを確認してもらうといいでしょう」と話す。
| トラブル防止のポイント |
|---|
| ・音を出さない、低減するといった対策を。洗濯機や掃除機は早朝深夜の使用を控える、子どもがいる場合は床にカーペットを敷くなど ・土産やいただきものなどを渡す機会があれば、生活音が気になっていないか聞いてみる ・大勢の来客があるパーティーなどがある場合、事前に近隣に伝えておいたほうがよい ・苦情を受けた場合に感情的に対応しない (高木さん、谷垣さんの話を基に作成) |
(2012年6月14日 読売新聞)
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