ミチコさんの人“性”塾
2012年6月11日
「水子のたたり」はありますか

以前、子どもの雑誌に相談コーナーを連載していたとき、「友だちから水子供養の話を聞きました。『水子のたたり』って本当にあるのですか」の質問が寄せられました。あなたなら、どう、お答えになりますか。
貧しさの中で間引きされた
質問に答える前に、まず、水子について説明しましょう。
昔、貧しさのために、生まれたばかりの赤ん坊の口に糠(ぬか)などをつめこんで窒息死させたり縄で首をしめたりして殺し、海辺や川岸や沢に捨て、あるいは自分の家の床下にひそかに埋めたりしました。これを「間引き」といいます。人前で話すときは、「川にいった」という隠し言葉で表現されました。ここから「水子」という言葉が始まったとされています。
東北地方には、「地獄沢」とか「わらす河原」と呼ばれる場所があるそうです。間引きされた子どもたちの墓場とみてよいのでしょう。
ねんねんころりよ
おころりよ
ねんねしないと川流す
ねんねんころりよ
おころりよ
ねんねしないと
墓たてる
宮崎県の日向地方につたわる子守唄の一節です。「早く寝なさいよ。いつまでも泣いていると川へ流してしまうからね」の意です。
なんとこの子が女の子なら
薦(こも)につつんで 三つとこ締めて
締めた上をば もんじと書いて
池に捨つれば もんじの池に
道に捨つれば もんじの藪に
人がとおれば踏み踏みとおる
親が通れば なくなく通る
なんとこの子が男の子なら
寺にさしあげ 手習いさせて
筆は巻き筆 すずりは碁石
墨はほんまのにおい墨
これも宮崎県に伝わる毬(まり)つき唄です。女の子が間引きの対象とされていたことが、この唄からうかがえますね。
間引きが最も多く行われたとみられるのは江戸時代です。いくら貧しくて育てられないからとはいえ、わが子を間引くことは、親にとって、とりわけ母親にとってどんなに悲しくつらいことであったか。罪の意識にも苦しめられたことでしょう。
水子供養というのは、こうした苦痛の中で、民衆が、流された子どもと自分たちの悲しみを分かち合おうとしてつくりだした知恵といえるでしょう。
現代の水子供養は…
ところが今、「水子」の言葉は、妊娠中絶した胎児にまで拡大解職されるようになりました。水子供養を看板にかかげる寺もでてきて、そうした寺のパンフレットを見ると、「ノイローゼ、親への反抗、テンカン、夜尿症、登校拒否、弱視、乳がん・・・」等など、なんでもかんでも「水子のたたり」のように書いてあります。
はっきり言いましょう。「水子のたたり」などありません。
ではなぜ、「水子供養」や「水子のたたり」が言われるのか。それは望まない妊娠をして、やむなく中絶せざるをえなかった女性の悲しみや後ろめたさを利用して、金儲けをしようとする者たちがつくりだしたものといえるでしょう。
現在社会で本当に必要な水子供養は、女性たちが妊娠中絶という悲しい選択を再びしないですむようにすること。そのために避妊のための知識を持ち、避妊を実行できるカップルを増やしていくことです。
◇ ◆ ◇
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- 高柳美知子(たかやなぎ・みちこ)
- 1931(昭和6)年、東京生まれ。中学・高校の国語教師などを経て、現在は“人間と性”教育研究所所長。
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コメント
こけしを小消しと結びつけるのは誤解を招くと思います。
こけしの語源を「子消し」や「子化身」など堕胎や口減らしに由来するものとの説も存在しており、これは1960年代に詩人・松永伍一が初めて唱えたものとされている。しかし、松永以前の文献にはこの説を裏付けるような記述が見られない上、松永自身も工芸や民俗学などの専門知識を持っていなかった、自説の由来について説得力の有る説明が出来なかったなどとされ、その信憑性については出典を含めて疑問が持たれている。
wikipedia
独身時代に若気の至りで子供をおろしました。
その時は、産めないんだもの仕方が無いじゃない。
でもその時期でも公けにならないだけで未婚の母っていらしたのですね。
その後、結婚して25年、子供に恵まれません。
きっと、この世に生まれなかった子供が怒っているんだなぁと思い何時も水子地蔵に機会があれば手を合わせています。
この世に水子のたたりはないと分かりましたが、良心の呵責は消えません。
これからは産んであげれなかった分、色々な人達に優しくボランティアをするつもりです。
水子のたたりとは、高柳さんがおっしゃるとおりお金儲けのためにお寺などでつくりあげた、人の心を支配しようとするこの世的なものです。昔貧しさのために子供を始末しなければならなかった母親たちが水子と呼んだのでしょうが、東北地方にあるこけし(子消し)もその思いによって作られたと言われています。
今の時代、望まない妊娠は簡単に中絶できますが、それを供養するのではなく、中絶しないように女性は考えて行動するべきです。