カルテより患者
福岡県水巻町 主婦 小峰悦子 65
私が通う大学病院では、カルテがこれまでの手書きから電子カルテになった。40歳代の男性主治医は不慣れなパソコンと格闘、患者の顔を見ずにキーボード打ちに四苦八苦している。
時々、「先生、私の顔をみて」と口から出そうになる。その気持ちを抑え、「先生、大変ですね」と皮肉っぽく伝えている。これが電子カルテへの精いっぱいの抵抗だ。
時には患者の顔をゆっくり眺め、「今日はどうしました」と声をかけてほしいと思うのは私一人ではないはずだ。医師の励ましの一言が、病と闘う患者にとって、元気が百倍になる薬でもあるのだから。
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(2012年6月9日 読売新聞)
