[中高生の部] 優秀賞 「献血」
山下 美花 さん
静岡県小山町
16歳 ・ 高校2年
七月十五日。私は生まれて初めて献血をした。それは私にとってとても印象に残るものとなった。
七月に入って間もなく、クラスの保健委員からこの学校で献血が行われるという便りをもらった。その瞬間から私は献血する事を決めていた。私の母が以前、献血の体験談を話してくれたのを覚えていたからだ。母は針が太くて…とたくさん言っていただけだったが、看護の方に行こうと思っている私にとってとても頭に残ったのだ。また、人に役立つ事をしたいと前から思っていたのでとてもいい機会だったのだ。
ある日、生徒会選挙後に献血についての映像が流れた。それはある子供の男の子が小児ガンになり、その生涯を閉じるまで約五十回もの輸血をしたというものだった。その男の子は輸血の血を大好きなアンパンマンから「アンパンマンのエキス」と呼び、輸血をすれば元気になるので毎回輸血を楽しみにしていたそうだ。しかし、なかなか自分の血液型の血がなく輸血を一回するのにも大変だったそうだ。その映像を見て私はこんなにも輸血を待っている人がこの世の中にはいるのだと驚き、また献血の大切さを改めて感じ献血をしたいという思いがさらに強まった。
献血当日。私は朝から何だか緊張してそわそわしていた。体育の時間を見学してすぐに自分達のクラスの番になった。しかし、もう何人か保健室のあたりから出て行くのを見た。もう終わったのか、献血って案外早く終わるものなんだなと考えていたがそうではなかった。視聴覚室に入ると一人の女の人がいてみんな一人ずつ血管を見せた。その中で血管が細い人と柔らかい人はすぐにかえされてしまっていた。私はてっきり自分が年齢条件を満たしていれば自分の意志ですぐに献血をする事が出来ると思っていたのでとても驚いた。中にはどうしてもやりたかった子や自分の昔の体験から絶対に献血に協力したいと言っていた子など結構多くの人がかえされてしまった。私は血管も太く、柔らかさも大丈夫だった。しかし、これだけで献血が出来るわけではなかった。紙に色々と書き、献血のためお茶をもらい水分補給し献血カードを受け取り、いざ献血車へ向かおうとしたその時、一人の私の友達が献血車の中から残念そうな顔をして降りてきた。どうしたのかと聞くと採血で血を検査したところ血液中のヘモグロビンが足りなく献血が出来なかったそうだ。私は採血の結果、大丈夫であったがこんなにも細かく検査を行うなんてやはり病気など困っている人に血をあげるので健康でなかったり、少しでも基準を越えていない血はとらないのだなと思うととても献血のすごさというものを感じた。そして、いよいよ献血の時。さすがにはじめ針をさす時は見られず、少しチクッとしただけだった。ベッドに寝ながらふと横を見ると自分の血がチューブの管の中をどくどく流れているのが見えた。はじめは流れていく血の多さに驚いたが、慣れてくるとこれで人の役に立つんだ、いつかこの血が困っている人を助けられるんだと思うと何だかとても嬉しく感じた。私はA型で、比較的血は足りている方らしいが、それでも人の役に立てるというのが嬉しかった。また献血中、前の母の話や選挙後に見た映像など様々な事が思い起こされた。そんな事を考えているうちにあっという間に献血は終わった。ジュースをもらって飲み、充分に水分補給した後お土産をもらい教室に戻った。戻っている途中はじめてもらった献血カードを見ては嬉しい気持ちととてもすがすがしい気持ちでいっぱいになった。
私は今回、献血を通して献血の大切さ、すごさなど色々な事を学んだ。また、血管の検査やヘモグロビンなどの血液検査など様々な検査を経てやっと献血が出来るという事を知りとても驚いた。そして、自分は献血が十分に出来る体だと知る事が出来たので今後出来る限りたくさん献血に協力していきたいと思った。もちろん献血だけではなく、自分が出来るものならどんどん色々な医療機関に協力していきたい。看護の道を歩みたいと思っている私にとって今回の人生初の献血は勉強にもなり、また看護の道を歩みたいという思いがさらに強くなった貴重な体験となった。この体験を常に心において、受験勉強などの励みなどにし生かしていきたいと思う。
| 第30回「心に残る医療」体験記コンクールには、全国から医療や介護にまつわる体験や思い出をつづった作文が寄せられました。入賞・入選した19作品を紹介します。 主催 : 日本医師会、読売新聞社 後援 : 厚生労働省 協賛 : アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社) |
| ※ 年齢や学年は表彰式(2012年1月21日)当時のものです。 |
(2012年5月29日 読売新聞)
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