新・児童手当 支給に所得制限、増税も

市区町村の窓口では児童手当に関する相談を受け付けている(東京・文京区役所で)

 4月から、中学生以下の子どものいる家庭に児童手当が支給されている。子ども手当に代わる新制度。6月以降、支給に所得制限が設けられ、住民税の年少扶養控除も廃止され、多くの子育て家庭で実質的な手取りの収入が減る。支給額を確認し、家計のやり繰りを考えておくことが必要だ。

 今年3月まで「子ども手当」と呼ばれていた制度は、4月から「児童手当」という名称に改められた。支給額は、3歳未満が月1万5000円、3歳から小学生までの第1子と第2子が月1万円、第3子以降が月1万5000円、中学生は月1万円。この月額は、昨年10月~今年3月分の子ども手当の支給額と変わらない。

 ところが、6月から手当支給に所得制限が導入されることになっている。夫婦どちらかが働き、子どもが2人いる世帯の場合、年収が960万円以上あると児童手当は支給されず、代わりに子ども1人当たり月5000円が特例として当分の間支給される。

 所得制限の対象となる年収は、夫婦共働きの場合は年収の多い方で判定。子どもの人数や夫婦のどちらが配偶者控除を受けているかによっても、制限の条件は変わってくる。条件の試算を行った、大和総研(東京)研究員の是枝俊悟さんは、「自分のケースがわからない場合は、住んでいる市区町村にある担当部署に相談してください」と話す。

 大和総研のホームページ(http://www.dir.co.jp/souken/)でも児童手当制度を解説したリポート「新旧児童手当、子ども手当と税制改正のQ&A」を紹介しており参考になる。

 さらに6月から住民税の年少扶養控除も廃止される。これまで16歳未満の子ども1人につき、33万円を所得から差し引いて住民税は計算されていた。その控除制度がなくなる。住民税は税率が10%なので、年間3万3000円(月2750円)の増税となる。

世帯の多く 手取り減る

 いずれにしても、6月以降、多くの子育て家庭で手取りの収入が減ることになり、将来の家計のやり繰りを考えておきたい。是枝さんは「会社勤めなら、6月の給与明細を確認してください」と話す。給料が前月と同程度なら、住民税が増えることによって、手取り額が減っているからだ。制度の変更によってどのくらいの負担になるかがわかる。

 また、児童手当は、4か月分がまとめて支給され、1回分の支給額が大きい。子ども手当に関する本を監修したことがある、税理士の中村健二さんは、「消費税率引き上げが国会で審議されるなど、今後増税が見込まれる一方、児童手当がこれまで通り支給されるかどうかは不透明。できれば子どもの将来のために児童手当は預金しておいた方がよい。今回の制度改正を機会に、支出の無駄を省くなど、家計の見直しを行ってみてください」と話している。

新しい児童手当の注意点
・新たな児童手当の支給額は、昨年10月から支給されている子ども手当の額と同じ
・支給は2月、6月、10月の年3回。それぞれ4か月分を支給
・手当を受け取るには「現況届」を自治体に提出することが必要。提出は6月中が一般的で、対象者には書類が自治体から発送される

2012年5月24日 読売新聞)

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