オトコのコト 医師・小堀善友ブログ
2012年5月22日
男の漢方(2)更年期、症状にあわせて

前回、漢方薬の話を書きました。今回はその続きです。
男性更年期障害で受診される方が訴えられる症状は、さまざまです。
例えば、なんとなく元気が出ない、勃起障害、肩や頭が痛い、ほてりや、汗がでる、などなど。
治療の基本は、注射による男性ホルモンの補充療法となりますが、患者さんの希望によっては漢方薬が用いられる場合があります。漢方を用いる場合は、様々な分類がありますが、おおまかには患者の「証」に応じて漢方薬を選択する事が望ましいです。最近では証にかかわらず、西洋医学の考え方のように、病気ごとに漢方薬を選択する事で効果が期待できる場合があります。
たとえば、以下のとおりです。
(1)八味地黄丸(ハチミジオウガン) |
前立腺肥大症による排尿困難や、尿路の不定愁訴に用いられます。αブロッカー(ハルナール、フリバス、ユリーフ等)など、他の前立腺治療薬と併用する場合もあります。 |
(2)牛車腎気丸(ゴシャジンキガン) |
夜間頻尿、排尿困難、尿意切迫感、残尿感といった症状に対して処方されます。特に、蓄尿症状の強い場合に投与され、尿意切迫感や切迫性尿失禁のため生活の質を低下させる過活動膀胱に対してよく用いられます。 |
(3)補中益気湯(ホチュウエッキトウ) |
男性不妊症に用いられ、精子運動率の低下抑制作用があると報告されています。原因不明の男性不妊症にも用いられます。 |
(4)柴胡加 竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ) |
性欲の低下や勃起障害に用いられます。近年は抗酸化作用にも注目されています。 |
(5)桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン) |
女性の更年期障害に用いられていますが、男性更年期障害にも効果があるといわれております。体格がしっかりとした実証の人に用いられます。 |
(6)加味逍遙散(カミショウヨウサン) |
体質虚弱、肩こり、疲れやすい、精神不安など精神神経症状のある中間症の人に用いられます。 |
(7)当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン) |
筋肉が軟弱で疲労しやすく足腰の冷えやすい主に虚症の患者さんに用いられます。 |
以上は、あくまでも一例です。
効果は内服してみないとわからないので、とりあえずは1~2週間内服していただいて効果があるようでしたら継続するようにしています。
また、前回申し上げたとおり、漢方薬でも副作用が出ることがあります。
たとえば、柴胡加 竜骨牡蛎湯のなかにはオウゴンという生薬が含まれています。オウゴンは時には肝機能障害を起こすことがあり、私が受け持った患者さんでも肝機能障害が出てしまったために、内服を中止せざるを得ない方がいらっしゃいました。
いずれにせよ、男性更年期で起こるつらい症状を我慢せず、副作用に注意しながら、漢方を試してみる価値は十分あると思います。
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コメント
肩こり、疲れやすい、精神不安など精神神経症状があります。今現在、朝・寝る前・安定剤を飲んでいますが、(デパス錠S250mg)肩こり・疲れ易く。カミショウウサンを服用しても良いでしょうか。