医療相談室
- Question
慢性膵炎との診断、膵臓がんが心配
エコー検査で膵管が3.4mmに拡張していると言われました。幸い、腫瘍マーカーの「CEA」は1.1(基準値は5.0以下)、「CA19-9」は11.1(基準値は37以下)で、医師の診断は慢性膵炎でした。現在、カモステート錠100とベリチームを服用しています。ただ、今後、膵臓がんにならないか、不安です。このままの治療で良いのか、CTあるいはMRI検査も受けた方が良いでしょうか。(67歳男性)
- Answer
そのまま膵臓がんに進行しない…ただし、CT・MRI検査受けて
兼松隆之 地方独立行政法人長崎市立病院機構理事長(長崎市)・日本専門医制評価認定機構理事
(1)慢性膵炎でカモステート錠100とベリチームを服用しています。このままの治療で良いのか?
→診断が慢性膵炎で、現在のままの状態であれば、いまの薬物による治療を継続されてよいと思います。加えて、慢性膵炎の原因が明らかであれば、原因の除去も重要です。膵炎の原因は不明なこともありますが、アルコールによるものが最も多いとされています。もし、アルコールが原因の慢性膵炎であれば、アルコールを飲まないことも、慢性膵炎の増悪を防ぐ意味からも大切です。
(2)今後、膵臓がんにならないか? CTあるいはMRI検査も受けたが良いか?
→医学的には慢性膵炎がそのまま膵臓がんに進行することはない、とされています。しかし、慢性膵炎の経過中に、膵臓がんが合併するリスクはあります。その意味からすると、たとえ腫瘍マーカーの値は基準値内であっても、CTあるいはMRI検査を受けられることは、望ましい方法だと考えます。
なお、日本消化器病学会の「慢性膵炎診療ガイドライン<2009年>」にも推奨されているように、慢性膵炎は経過も長く、様々な病態を示すので、今後も主治医の先生とよく相談されながら、全経過をみすえた包括的な治療と検査を受けられることをお勧めします。
(2012年5月11日 読売新聞)
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