気軽にお灸

(1)首・肩こりに曲池、肩井

 体の表面にある「ツボ」に温熱を与えることで、体の調子を整える「お(きゅう)」。伝統的な養生術で、高齢者がするものというイメージが強いが、最近は若い愛用者も増えているという。

 東京・銀座にある「せんねん灸お灸ルーム」所長で、鍼灸(しんきゅう)師の小泉洋一さんは、「首や肩のこりなどに悩む30~40歳代の女性の相談が多い」と話す。病院では「治療の必要はない」と言われるが、つらい症状はある人たちだ。

 東洋医学では、症状は血の巡りの悪さなどで起こるとされる。お灸は、流れが滞っているポイント(ツボ)に温熱を与えて巡りを良くし、症状を緩和する。

 首や肩のこりを訴える人に小泉さんが勧めるのは「曲池(きょくち)」というツボへのお灸。曲池は、肘を曲げた時にできる横じわの線の上で、親指側の先端付近にある。乳頭からまっすぐ上の肩のところにある「肩井(けんせい)」も、肩こりに効くツボだ。

 初心者には、もぐさの下に台座がついていて、もぐさの熱が肌に直接は伝わらない「台座灸」=写真=が無難だ。台座灸は、ライターなどでもぐさに火をつけた後、ツボの上に貼る。煙が出なくなり、台座が冷めるまで約5分。じんわりした温かさの後、ぴりぴりとした熱さを感じたら外す。

 お灸愛用者の中心は、病院で治療を受けている70歳代前後の女性。小泉さんがお灸を施した中には、抗がん剤の副作用による胃の不調や手足のしびれが改善したり、糖尿病や高血圧の人の血糖値や血圧が下がったりした例も少なくないという。

 小泉さんは「お灸は、体質改善にも、病気のある人のつらい症状の緩和にも役立つ。気軽に試してみてほしい」と話している。

2012年5月6日 読売新聞)

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