30歳までは好きなことを
学生時代に、2か月ほどかけて、イギリスやフランス、スペインなどを巡りました。ものすごい貧乏旅行で、飛行機代を合わせても、使ったお金は30万円足らず。それでも、現地で知り合った人が家に泊めてくれたりして、楽しく過ごしました。
ヨーロッパの人は、思い切り遊びますよね。アフターファイブや休暇を楽しむために働いているんです。そんな姿を見ていたら、なんだか「頑張って働かなくちゃ」という気持ちになりました。
僕も、会社勤めをしたことがあるんですよ。大学を出てから、文学座付属演劇研究所に合格するまでの1年ほどですが、イベントなどを企画する制作会社で、契約社員として働いていたんです。
でも、その仕事を面白いと思えなくて。身が入らないから、上司から叱られてばかり。この時の経験で「本当に好きなことを仕事にしなくちゃダメだ」と痛感しました。
役者は一度やったらやめられないと言う通り、舞台に立つときの高揚感は、他では味わえないんです。もちろん不安もあったけれど、30歳までは、やりたいことをやってみようと、この道を進みました。思い切って飛び込まなくちゃ、何も始まらないですからね。(聞き手・飯田祐子、写真・小倉和徳)
俳優。1977年、東京生まれ。舞台「海辺のカフカ」(3~20日にさいたま市、6月21~24日に大阪市で上演)に出演。
(2012年5月1日 読売新聞)
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