Dr.北村の「性」の診察室ブログ
2012年4月20日
口は第二の性器と呼ばれているのですよ

こんなことを敢えて口にしなければならない調査結果が出ました。昨年度、厚生労働省から話があって取り組んだ研究「性感染症罹患者の性意識ならびに性行動様式に関する研究」。新年度に入って、その全容を明らかにする日が訪れました。
僕が担当したのは、この研究目的を達成するための「日本人の性意識・性行動に関する調査」。インターネットを使って、日本人の性の実態を明らかにすることができました。調査対象者は満15歳から69歳の男女。70万人近くの回答モニターを有する調査機関にお願いして、2011(平成23)年12月14日(水)から12月22日(木)の間、187,617人にメールで調査を依頼し8,700人から回答をいただきました。このブログでも、おいおい報告していきますが、今回は口腔性交の実態をご紹介します。
セックス(性交渉)経験のある方に聞きました。「この一年間に口腔性交の経験がありますか?」。その際、口腔性交を、「男性の性器あるいは女性の性器を口で刺激すること」と定義しています。「している(毎回している+時々している)」が全体の49.5%(男性54.4%、女性42.7%)、「していない(ほとんどしていない+していない)」は50.5%(男性45.6%、女性57.3%)。「毎回している」割合で多いのは、男性の30代(32.7%)、女性の10代(40.0%)。「していない」は男性の50代で38.2%、60代51.1%、女性も50代以上では大半を占めていました。
同意の上で「傷つけない、殺さない」が約束されるのであれば「セックス何でもアリー」は当然のことです。だから、口腔性交であろう、肛門性交であろう、僕たち外野が四の五の言う立場にはありません。しかし、敢えて申し上げれば、これほどまでに口腔性交が日常化、一般化しているのであれば、知っていて欲しいことがあります。それは、口は第二の性器と呼ばれているってこと。
口と性器、ここでは特に腟を想像いただければ理解し易いでしょう。この二つ、構造上似ているとは思いませんか。腟は主として腟の粘膜によって潤いが保たれています。性的興奮が起こると腟からの潤滑液が腟を潤すことはよく知られています。口も同様で、口腔粘膜に覆われていて、唾液が口の中を潤しています。これほど類似している器官なのですから、「エイズ(性感染症)予防にコンドームを!」は性器と性器の結合だけでなく、口と性器の行為でも当然考えるべきなのに、日本人ときたら、まったくもって無関心なのですから驚きです。
口腔性交を「毎回している」「時々している」「ほとんどしていない」と回答した方に、「口腔性交の際、性感染症を予防するためにコンドームを使うか」と尋ねてみました。そしたら、「まったく使わない」が断然トップで、全体の82.8%(男性79.4%、女性87.9%)、「使うときと使わないときがある」までを加えますと94.7%(男性93.9%、女性95.9%)であり、日本人には口腔性交にコンドームが必要であるとの認識はまったくと言っていいほどにないことが明らかとなりました。この傾向は男性では30代以上に多いようです。
これでは、エイズを含めた性感染症予防はできません。是非とも、今一度、このブログから発信した情報に目を止めてみてください。(スウィート・コンドーム =2011年6月17日=)
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- プロフィール
- 北村邦夫(きたむら・くにお)
- 自治医科大学医学部卒業後、産婦人科医として保健所など衛生行政の分野で実績を積み、1988年から日本家族計画協会クリニック所長。
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コメント
真摯なご返信、ありがとうございます。
そういえば、同性間の薬物蔓延やSTDの罹患発見率は、やはり世間一般からの抑圧によって自尊心が傷つけられ、言わば投げやりになっている一面もあるんです。
どこで対策をとるかというと、結局は望まぬ妊娠の予防なども含めて性教育の充実に行きつくのでしょうねぇ…
CDCのホームページから入って、INDEXからHを選ぶとHIVについて3つでてきますね。
参考にさせていただきます。
ラップ使用とは。サラン樹脂というタイプですよね。水蒸気も通さない位の緻密さがあるからいいかもですね。知り合いがいたら教えてあげようと思います。
国内のHIV感染についての統計が厚生労働省のHP内にありました。厚生労働省 HIV 統計という検索ワードで検索すると出ると思います。
ご参考になると幸いです。
あとは注射針の使い回しなども諸外国では問題となっていますね。特別に管理された部屋を設置して麻薬を取り締まるより先に感染症を封じ込めている国もありました。その部屋にある器具は感染症に対して安全に管理されているそうです。
どのようなカップルでもピンポイントに啓蒙できるといいなという事で偏見ではありませんのでご安心ください。
命は皆平等ですよね。
HIV検査については今は献血などでは知らせてくれないと記憶していますので、医療機関や保健所等での検査みたいです。HIVの検査キットもネットであるので検体を送ると検査が可能みたいです。誰でも検査が可能という事です。
米国CDCの件、カップル間の性の事について平等の件、ありがとうございました。
同性同士と異性間で症例が異なる等は私は耳にしたことがないので、それは偏見ではないでしょうか。
また、同性間での感染が多くみられるのは、確かに、妊娠の心配もなく性欲を優先させた結果であるといわざるを得ません。しかし、それは10あるうちの5であるだけで、HIV予防の啓発が同性愛者界に傾きがちなため、異性愛者より同性愛者のほうが多く検査を受けているので比例して感染発覚も多く判明する、ということが5あります。
また、異性愛者の方は「淋病とかは心配だけどエイズは大丈夫」という過剰な自信と誤解を持ちがち、というのが私の周囲での感覚です。
〈唐揚げの気持ち〉様。
著者の言いたいのは「体液の交換の危険さ」です。
HIV等では、通常全身防御は不要です。
「体液が傷口などの体液が交換される場所に接触するのが危険」なのです。
HIV感染者が医療関係の仕事をするのも可能。
詳しくは米国CDC感染マニュアルをご覧下さい。
ちなみに個人的には女性同士の性交では、ラップ使用がオススメです。
女性の最終学歴、年間所得、なども統計に反映されるといいのでしょうけど。
プライベートな事だし、偏見も出るので難しいですよね。
HIV感染でも同性同士の場合のほうが症例が多いとかはないでしょうか。
夫婦間、恋人間と言っても同性もありでしょう。女性の性器に対しての用具っていうのもコンドーム並に店頭にあってもいいとは思います。保護する観点から必要ですよね。
あと特定の相手とだけの場合の罹患率ってどの位なのでしょうか。それも知りたいものです。
エロチックを盛り上げる為もあるし、自分への満足や興奮度を高めたい、相手を気持ち良くさせたい。生理の時などの補完的な性技として使うとかもあるでしょう。
ウイルスや菌との共生って出来ないものでしょうかね。最大の防御だと思うのですけど。
書きたくないけど、ほかの動物からの感染力をもたれたらまた困るでしょう。
性交自体できないインフルエンザとか。
これ目の粘膜からの侵入が多い株もあるとか。
将来、セックスするときは、UV硬化する粉末を全身にまぶしてから全身コンドームなんて時代がくるのかなと思うと複雑な心境です。
唐揚げになった気分でしょうね。