医療相談室

Question

喉頭全摘 発声以外に影響は

 「喉頭がん」と診断され、喉頭の全摘手術をする以外、方法はないと言われました。手術後、声が出なくなると聞いていますが、このほか、日常生活に影響が出ることはありますか。(82歳男性)

Answer

のどに呼吸用の穴 必要

 大木 岳志 東京女子医大病院 消化器外科准講師(東京都新宿区)

 口や鼻から取り入れた空気や食べ物は、のど仏の辺りで、気管や食道へと振り分けられています。ちょうど、その部分が喉頭で、ここには声帯もあります。

 喉頭がんの治療は、放射線を当て、がんを小さくする方法と、喉頭を切除する手術に大別されます。

 初期の場合は、放射線治療で済みますが、がんが進行すると喉頭を摘出する手術が必要になります。

 手術には、部分切除と全摘があります。部分切除で声帯を取らなければ、元の声に近い状態を保てます。

 一方、全摘すると、元の声は失われます。ただ、食道を震わせて声を出す「食道発声」や、振動音を発する装置をのどに当て、舌や口を動かすことにより、話すことは可能です。

 喉頭を全摘すると、空気と食べ物を気管や食道へと振り分ける機能を失うため、のどに穴を開け、空気が通る専用の通り道を造る必要があります。

 この処置によって、口や鼻から呼吸できなくなり、スープをすする、においをかぐ、鼻をかむ、といったことはできなくなります。また、のどに開けた穴から空気を取り入れるため、気管にホコリなどが入りやすく、(たん)が出たり風邪を引きやすくなったりします。

 質問者は、全摘を勧められたとのことですが、手術の前に放射線治療と抗がん剤治療を行い、がんを小さくすることで、喉頭を温存できるケースもあります。

 高齢でもあり、主治医などに相談し、最善の治療法を選択してください。

2012年4月18日 読売新聞)

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