[なっ解く]上手にお見舞いするには

静かに短く心配伝える

面会の受け付けは、病院入り口のほか、ナースステーションで行うところもある(東京都港区の東京慈恵会医科大付属病院で)

 病気やけがで入院した知り合いのお見舞いは、行くべきかどうか、何を持っていくか、悩むことも多い。最近は入院期間が短くなり、持ち込む品物も制限されたりと、お見舞いを巡る状況も変わっている。行く前に確認しておこう。

 「まず、本人や家族にお見舞いに行っていいか、行くならどの時間が好都合か、意向を聞きましょう」と話すのは、NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML(コムル)」(大阪)の山口育子理事長。電話相談などを通じ、患者主体の医療を呼びかける活動をしている。個人情報保護の観点から、病院では入院患者についての電話の問い合わせにはまず応じない。山口さんは「携帯電話なりメールなりで直接確認できない仲なら、『行かない』判断も必要です」と話す。

 お見舞いを喜ぶ人もいるが、顔色が悪く、女性なら化粧しない様子を見られたくない人も少なくない。大抵パジャマ姿で、普段の外見とは違う。

 知っておきたいのは、一般的な入院日数の短期化。山口さんによると、病気によらず、長くても2週間程度のケースが少なくないという。その間に検査や治療を行い、時間にあまり余裕がないため、お見舞いは迷惑な場合も。

 行く場合、病院のウェブサイトなどで面会時間を確認する。平日は午後が多いが、夕食時間を避ける。患者が検査や治療の最中だったり、体調を崩していることもある。病室に入る前にナースステーションで、見舞っていいかを聞く。

 患者に会ったら、「心配している」という気持ちを伝えよう。「がんばって」「大丈夫」とむやみに励まさないこと。あなたに何がわかるのか、と多くの患者は思う。「大変ね」「つらいね」「聞くことしかできなくてごめんね」で十分だ。病状はあれこれ聞かず、長時間居座らないこと。入院経験者や同じ病気の経験者が、自分の経験を話し過ぎるのはよくない。同じ病気、同じ治療でも、病状や副作用などは人によって違う。

 特に大部屋の場合、ほかの患者への気遣いも必要だ。東京慈恵会医科大付属病院(東京)看護部の和田美恵師長は、「見舞客が『窓際のベッドで明るくてよかったね』と患者を励まして帰った後、『暗い方の隣のベッドの人に悪いことをした』と悩む患者もいた」と言う。ほとんど客の来ない患者、重い病状の患者もいる。「24時間他人と一緒の生活は、それ自体がストレスと理解して」と、和田さん。大声の会話は慎もう。患者が移動ができる状態で、談話室などがあったら、大部屋を出て、そちらで話をした方がいい。

 本当に行きたいのか、行かなければという義務感で行くのか、入院している患者自身の気持ちを考えて行動したい。

お見舞いの注意点
・鉢植えの花は「根付く=寝付く」で避けられてきたが、生花も、においの強さ、花粉症患者への配慮などから、持ち込みを断る病院が多い。長期保存加工したプリサーブドフラワーなら可能な場合も。
・食べ物は、患者の食事制限に合わせる。
・患者に「今、欲しいモノはあるか」を聞いて差し入れるのがいい。本や雑誌、ベッドで楽しめる手芸用品など、患者によって役に立つものは違う。
・病院は免疫力の弱っている人が多いため、体調の悪い人はもちろん、家族がインフルエンザにかかっている人などはお見舞いを控える。
(山口さん、和田さんの話をもとに作成)

2012年4月12日 読売新聞)

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