感情ぶつけた稽古 道開く
19年ぶりに「劇団☆新感線」の舞台に出ます。前回は、3人組のアイドルグループ「ribbon」で活動していた頃でした。あの時、舞台と出会わなければ、今の私はなかったと思います。
歌が大好きで歌手になりましたが、その頃の私は自分の限界に気づき始めていました。ずっと自分が芸能界にいられるとも思えませんでした。そんな時、初めて舞台のお仕事をいただいたんです。
でも、私は心の中で、「どうして私がお芝居をしなければいけないの?」と思っていました。演出家の指導は厳しくて、稽古では同じ場面を何度も、何度も、何度も繰り返させられました。ずっと不満を感じていました。
そして、公演が1週間後に迫った日。怒る場面の稽古で、自分の中にあった怒りの感情を全部セリフにぶつけてしまったんです。すると、演出家はひと言、「それでいい」と。その瞬間、視界が明るく開けた気がしました。女優を続けてみようと、初めて思いました。
若い時は前へ前へと進めばいい。でも、人は思い通りに真っすぐは行けません。そんな時、思いも寄らない出会いが自分を変えてくれるのだと思います。それが嫌なこと、しんどいことであっても……。だから、どんな経験も大事にしなきゃいけないんですね。(聞き手・梅崎正直、撮影・永尾泰史)
女優。1970年生まれ。劇団☆新感線の舞台「シレンとラギ」(24日から大阪市の梅田芸術劇場、5月24日から東京都渋谷区の青山劇場)に出演。
(2012年4月10日 読売新聞)
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