医療相談室
- Question
感音性難聴、改善が期待できる治療法は?
最近聞こえに違和感があり耳鼻科受診しましたところ、言葉の識別に少々問題が見つかり、「感音性難聴」との診断を受けました。しかも、有効性が高い治療法がないと言うのです。感音性難聴とは、どんな病気なのでしょうか。鍼灸、漢方なども含めて改善が期待できる方法はありませんでしょうか。(38歳男性)
- Answer
内耳の病気が原因か・・・大学病院などで精密検査を
八木聰明・日本医科大学名誉教授、人間環境大学長
難聴には大きく分けて、伝音難聴と感音難聴があります。音が物理的に伝わる部分の障害で起きるのが伝音難聴で、例えば耳の穴に耳垢がつまった状態(耳垢栓塞)や滲出性中耳炎で液体が中耳に溜まった状態などによって起きるものです(外耳や中耳の障害)。
感音難聴は、物理的に伝わってきた音が内耳へ伝わり、そこで神経の信号に変換されて脳へ伝わる過程の障害で起こるものです。実際にはその多くが、内耳の病気(騒音難聴、薬物による難聴、突発性難聴など)によって起こります。
感音難聴の原因として最も多いのは、加齢による難聴です。しかし、ご質問は38歳の方からのもので加齢による難聴は先ず考えられません。加齢による難聴が起こるのは、早い人でも50歳代位からです。
さて、質問では感音難聴との診断となっていますが、どの様な検査をして言葉の識別に少々問題があるという結果なのでしょうか。耳鼻咽喉科では、患者さんが耳に症状を訴えれば、まず耳の中、外耳道や鼓膜の状態を観察して、それから標準純音聴力検査という検査(防音室で、耳から音を聴かせる検査と耳の後の骨から音を聴かせる検査)を行って、難聴があるのかないのか、あれば、それが伝音難聴か感音難聴を診断します。もし、この検査で感音難聴が見つかれば、必要に応じて聴き取りの検査(語音聴力検査)を行います。この検査で、はじめて言葉の識別がどうかということが分かります。
「最近聞こえに違和感がある」というのは、具体的にどの様なものなのでしょうか。言葉の識別が悪いということを自分で感じるには、両耳の難聴がある程度進んでからのことが大部分です。また、最近というのはいつ頃からなのでしょうか。これは、もし感音難聴だとした場合に治療に必要な情報です。
感音難聴の治療は、特定の場合以外に有効なものは現在のところほとんどありません。片側の聞こえが急に高度難聴になる突発性難聴などの急性(急激に起こった)の感音難聴では薬が有効なことが少なくありません。漢方薬も、突発性難聴の治療に他の薬物と同時に使われることもありますが、比較的限定的です。なお、鍼灸については、それが感音難聴の治療に有効だという科学的証拠はありません。
可能でしたら、大学病院など高次の医療機関の耳鼻咽喉科で再度検査を受けることをお勧めします。(日本専門医制評価・認定機構協力)
(2012年4月6日 読売新聞)
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