Dr.北村の「性」の診察室ブログ
2012年3月30日
Shotgun Marriage

この英語おわかりいただけますか? 僕もまず耳を疑い、その後「なるほど!」と感心したものです。最近では「おめでた婚」「授かり婚」なんて言い方もしますが、よく使われているのは、「できちゃった結婚」とか「でき婚」のことです。要するに、結婚するかしないかわからない状態にあるカップルが、予定外の妊娠をしたために、急きょ結婚することを指します。
それにしても、Shotgun Marriageとは物騒な言葉ですよね。Shotgun weddingという表現もあるようで、妊娠した娘の父親が、相手の男性に銃を向けて結婚を迫ったことに由来するのだそうです。
僕のクリニックでも最近、この言葉が飛び交っています。低用量経口避妊薬(ピル)を長期に服用し、月経痛から解放されている、上手に周期調節することで快適な生活を続けている女性が結婚に重い腰を上げようとしないものですから、「結婚には適齢期はないけれど、もし子どもが欲しいのであれば生物として限界があるからね。もうピルを飲むのを止めてみたらどうだろうか。その結果、Shotgun Marriageになってもいいじゃないか」とアドバイスする機会が増えています。
中には、長い間お付き合いしている男性が煮え切らないと嘆く女性もいます。「経済力が」とか、「まだやりたいことがある」といって結婚を先延ばししている男性と付き合っている女性患者には、「Shotgun Marriage!」を勧めます。もちろん、結婚すればいいって訳ではありません。Shotgun Marriageの場合、離婚率が高まるという民間の調査機関の調査結果もありますし、予定外の妊娠・出産が虐待児死亡の最大要因であることを十分知っているからです。( 「児童虐待防止の特効薬?」 =2011年6月3日=)
芸能界でもShotgun Marriageが常に話題をさらっています。古くは安室奈美恵さん、木村拓哉さんと工藤静香さんに始まり、竹内結子さんと中村獅童さん、安達祐実さんと井戸田潤さん、最近では、広末涼子さんとキャンドル・ジュンさん、ほしのあきさんと三浦皇成さん、倖田來未さんなどなど、テレビによく出てくる芸能人が当たり前のようにShotgun Marriageなのです。
「当たり前」感覚が一般に与える影響力は絶大ですし、それがむしろあまり抵抗なく、批判されることなく受け容れられるようになってきているのかも知れません。それが証拠に、最近のわが国の結婚統計をみるとShotgun Marriageの多さに驚かされます。もちろん、国の統計にそんな言葉があるはずはなく、正しくは「結婚期間が妊娠期間より短い出生数の嫡出第1子出生に占める割合」を見たものです。1980年は12.6%だったものが、90年には21.0%、2000年には26.3%と、1980年以降急増しているのです。
2000年以降で見ると、母親の年齢が20から24歳では、「結婚期間が妊娠期間より短い出生数の嫡出第1子出生に占める割合」が6割近くを占め、15~19歳ともなると8割を超えているのですが、まさにこれが「当たり前」。ここ10年近くは頭打ち状態にあるのは、20歳代後半以降の結婚割合が大きくなったためでShotgun Marriageが減ったわけではないのです。
どうしてこのような現象がわが国で一般化しているのか。日本では婚外子には厳しい一方で、結婚のハードルがとても低いことにあるのではないでしょうか。( 「シングルマザーの何がいけないの?」 =2011年5月6日=)
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- プロフィール
- 北村邦夫(きたむら・くにお)
- 自治医科大学医学部卒業後、産婦人科医として保健所など衛生行政の分野で実績を積み、1988年から日本家族計画協会クリニック所長。
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コメント
「この人と結婚していいの?―Are you ready?」
という本があります。
Are you ready?が内容だとは思います。
内容はPMSの事や女性を理解する事、セックスへの観念など。
まだ買ったばかりなので、詳しくは読んでないですけど。
あえて2000年刊行の古いタイプを買いましたけどいい本です。
万人に有効ではないけれど、こういうカウンセリングもあるのですね。
男女の仲から結婚へのアプローチのひとつ。
航空機でいえば、いろいろな出発方式があるのと同じ感覚です。
風向きや上空の混み具合という環境要因や、機種の重さ、特性で変わります。
人生もそんなものかなと。
人生のフライトプランのたてかたのひとつとして知っておくのもいいですね。
いかに不具合をくぐり抜けながら目的地に到達するか。
ほかの書籍も読みながら、本棚の1冊として仲間いりしました。
人から背中を押されるか、2人で手を取り合って引っ張りあげあうか。
好きな方法で人生の階段を登っていけるといいですね。
結婚期間が妊娠期間より短い出生数の嫡出第1子出生に占める割合という事ですから。結婚期間が妊娠期間より長い人の出生数の影響でしょうか。
後者が少なくなれば自然と率は増えますよね。
晩婚化、婚姻数の減少などの裏返しとも思えます。
Shotgun Marriage が増加していて少子化っていう事ですから。結婚がいかにリスクある時代になったか。
子供を儲けるのに難しい現実があるかでしょう。
離婚率も高くなれば、シングルでの子育て。
大変ですよ。
結婚期間が妊娠期間より長い人がなんで増えないのか。
それが問題とみてもいいのかもしれませんね。
これがどんどん増える政策とか環境があればきっとそっちを選ぶ人が増えるのではないでしょうか。安心して結婚できる環境が欲しいですね。
将来への不安、逆進性の税制、年金、医療、介護の問題。
Shotgun Marriage !責任もてよ男どもって。
男が1人稼いで何人の子供を大学までいかせられるか。
そういう細かい問題を国内にかかえている現在、先生がShotgun Marriage をと言いたくなる心境わかる気がします。
婦人科医はいいけど、産婦人科医なんて損だという概念がありますし。
純血主義とか処女の概念などもいろいろと人の判断になるし。
個人の自由が楽に実現できる時代。
便利が人口の抑制をし始めた世紀かもしれませんね。
結婚前の妊娠に背中を押してもらう世紀とも言えるのですかね。
Shotgun Marriageを勧めることに反対いたします。結婚を考えている男女に勧めるなら、替わりにプリマリタルカウンセリングを勧めて頂きたいと思います。
結婚前に結婚する事がどういうことなのかを、プロの助けを借りて、パートナーの方とじっくり考えてから結婚して頂きたいと心から願います。結婚前にその大切さを考える時間が、私にあったら私の人生も変わっていたと思います。
プリマリタルカウンセリングをする事で、離婚率も低くなり、両親の離婚によって傷つく子供達の数もきっと下がる事でしょう。
Shotgun Marriageについて読ませていただきました。メディアで安易に意図も不明確に取り上げすぎている言葉で、由来どおりではありませんが危険な行為であると思っています。
言葉としては一般的になりましたが、列挙されている芸能人たちがどうかはともかく、Marrige(結婚)したものの、出産後1年はおろか数ヶ月でシングルマザーになってしまう人の確率など、憂慮すべき問題点も多いことです。
外国から見れば先進国日本の学校教育、家庭内教育のもっとも未熟な部分、それもまったく改善されない不思議な部分だととられることでしょう。このまま教育界や、社会が問題としてとらえないと、シングルマザーの貧困の問題、離婚も含めて結果として望まれない子供に対する虐待など、悪化する事態は深刻化しているとしか思えません。
今の日本の状況においては、(子供の生活保護や教育政策が確立しない限り)もっと警鐘を込めて世の中が将来も含めて対象となる人々に教育的な発信をして欲しいと思います。