性同一性障害(4)のどにポリープ 声出せず
手術で女性の体を手に入れた後も、ニューハーフクラブで働いた。
幼い頃からテレビの物まね番組に出演していたが、20歳を過ぎると、そうした機会が増えた。ある時、東京の芸能事務所からスカウトされた。地元・大阪を離れ、上京した。
しかし、思うような仕事はなく、1年余りで事務所を辞めた。その後、都内の飲食店などで働き、約10年前、小さなバーを開いた。
程なくして、のどにポリープができ、声が全く出なくなった。店での注文や会計は筆談で対応できたが、会話でお客さんを楽しませることはできなくなった。
「バーの収入が生活の糧でした。お客さんが来てくれなくなったら困るなぁと焦りました」
だが、これが思わぬきっかけに。店内ではテレビモニターで松浦亜弥さんや松田聖子さんのコンサート映像を流していた。そこで曲に合わせて口パクの形態模写をしたところ、お客さんが喜んでくれたのだ。
「ネタになるか分からなかったけど、やってみようと踏み出したことが、結果的に大きな武器になりました」
声は半年ほどで戻ったが、松浦さんをまねた「エアあやや」には磨きをかけた。
あるパーティーでこの芸を披露したところ、芸能関係者の目に留まった。一気に芸能界での仕事が舞い込み、2008年には念願の歌手デビューを果たした。
(2012年3月22日 読売新聞)
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