介護通信
2012年3月9日
いつまでも食事を楽しむために
高齢になると低栄養になりがちなので、幅広い食品の摂取が大切です。食事を食べやすくするために 繊維の強い食材・根菜類は、特にやわらかく調理します。
嚥下(えんげ)を促すときには、「トロミ」(あんかけの「あん」のようなもの)を使用しています。最初は、トロミを別に添えて、必要に応じてからめます。すべてのものにトロミをつけるのではなく、本人の状態に応じて、トロミを使用し、食事摂取の幅を狭くしないようにしています。
筋力の低下や麻痺(まひ)により、普通に摂取するのは困難ながら、自分で食べることができる方へのお手伝いには、短めの箸・スプーン・フォークを使用してもらい、自力で食べることが困難になってきた場合、小さめのスプーン・フォークに変更するようにしています。
握力が弱くなってきた場合は、持ち手が太めで軽いものを使用しています(自助具使用)。また、スプーンを使用の際は、平たい食器よりも縁のある食器の方が、すくい易く、食器の底に滑り止めがあると、なお食べやすくなります(自助食器使用)。
自助具の代用としては、普通のスプーン・フォークに布を巻いて、本人の手の状態に合った太さにしてあげることで、食べやすくなります。
また自助食器は、縁がある食器裏面にシリコーン(滑り止め)を付け、器の見た目に変化が出るよう試みています。
食事をおいしく食べて頂くためにも、日頃から入居者の方々とのコミュニケーションを大切にしています。例えば、あまり召し上がらないときや、好みでないメニューのとき、たまたまその日に食欲がないときなど、人それぞれ、さまざま状況があります。
ですので、その1回だけの印象で、嫌いなものと思い込まないようにした方がいいかもしれません。また、以前は嫌いだったものを召し上がるようになることもあります。私たちの嗜好が変わるように、高齢になられても嗜好は変わるのかもしれません。
以前、お肉嫌いとされていた方が、ランチタイムにフィッシュバーガーも用意したところ、いつも間にかハンバーガーまでおいしそうに召し上がるようになりました。今では、むしろお肉派かも!? また、煮付けた魚をかんで出してしまう方は、カツ類だと満足そうに完食されますし、「ご飯はかたいからお粥(かゆ)の方がいい」とおっしゃる方は、実は握り寿司が大好物。シャリはもちろん酢飯です。
幅広い食品の摂取が大切とはいえ、食事摂取の幅は高齢になっても未知数の部分があるのだと感じています。(三木 明)
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