大震災
- 大震災
東日本大震災は2011年3月11日、太平洋三陸沖を震源としてマグニチュード9、最大震度7の規模で発生した。この地震のエネルギー規模は、関東大震災などを超え、世界第4位の巨大地震となった。地震に伴い大津波が発生し、多くの死亡・行方不明者を出した。
津波の影響で、東京電力の福島第一原子力発電所の炉心が一時冷却できなくなるなどして、周囲に大量の放射性物質が放出された。政府は、この事故の国際的な評価を、チェルノブイリ原発事故と同じ最悪の「レベル7」とした。
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シリーズ
- 震災から1年(1)在宅医療に理解広がる
- 皆上さん(右)を往診する村岡さん
「前日の抗生剤で熱は下がっています。よかった」
宮城県気仙沼市の在宅診療所院長、村岡正朗さん(50)が、自宅で療養する同市の
皆上 信夫さん(78)に声をかけた。妻の栄子さん(79)がベッドの横でほっとした表情を見せる。皆上さんは4年前、脳卒中で倒れ、寝たきりの生活を送っている。2011年3月11日は、市内の老人保健施設にショートステイで滞在していた。海に近い同施設は津波にのまれ、入所者54人が亡くなった。皆上さんは救出され、気仙沼市立病院に入院した。
4月1日に退院し、自宅に戻ったが、震災後の停電で床ずれを防ぐエアマットが使えず、背中に十数センチの床ずれができていた。栄子さんは「訪問の看護師さんに薬は付けてもらったが、なかなか良くはならなかった」と振り返る。
救ったのは、全国から支援に駆けつけた医師らだった。ケアが行き届かない在宅の高齢者のため、「気仙沼巡回療養支援隊」を編成し、介護サービスの利用者などを順番に訪問した。
皆上さん宅には毎日、医師が往診し、床ずれの治療を行い、快方に向かった。
村岡さんは5月に支援隊から皆上さんの往診を引き継いだ。初めての訪問の際、地元の歯科医も連れていった。皆上さんは、支援隊の歯科医から口の中を清潔にする
口腔 ケアを受けていたからだ。口腔ケアは、喉に絡むたんを減らし、誤嚥 による肺炎を予防する効果がある。ただ、気仙沼市では普及していなかった。「支援隊の活動で患者・家族にもケアの最新知識が広がった。今後、地域にあったやり方で定着させていきたい」と村岡さん。現在、2週おきに歯科衛生士が皆上さん宅を訪ね、口の中の清掃を行っている。
支援隊は9月末の解散までに累計約200人を定期的に往診。現在、その多くを地元の開業医が診ている。
支援隊は、医師、看護師、ケアマネジャー、介護職らが連携してケアに当たるための勉強会も開催した。これを引き継ぐ形で気仙沼市医師会を含めた連携のワーキングチームができた。
同医師会長の大友病院院長、大友仁さんは「支援隊のおかげで在宅医療への理解も深まった。大震災でできた医療と介護の横のつながりを生かしていきたい」と話す。
気仙沼市では震災で診療所の約2割にあたる5施設が閉院し、医療提供体制は少なからず傷ついた。しかし危機をバネに変える意思が気仙沼にはある。
◇東日本大震災からまもなく1年。医療現場のいまをリポートする。
(2012年3月7日 読売新聞)
治療
- 放射性ヨウ素の影響… 小児甲状腺がん 高い治癒率(2011年5月26日)
- 放射線治療… 多量の照射 回数分け局所に(2011年5月19日)
- 被曝の治療… 体内蓄積 薬で排出促す(2011年4月14日)
研究・その他
- [大震災2年]県立3病院 高台に…岩手(2013年3月11日)
- [大震災2年]若い「家庭医」育てる…宮城(2013年3月11日)
- [大震災2年]「居場所」作りで健康増進…福島(2013年3月11日)
- [大震災2年]手狭な仮設 老々介護(2013年3月11日)
- [大震災2年]高齢者施設 再開まだ半数(2013年3月11日)
- [南海トラフ地震] 34拠点病院「津波浸水」(2012年12月25日)
- [南海トラフ地震] 病院の浸水対策 不十分(2012年12月25日)
シリーズ
- [シリーズこころ]震災後の福島で(5)心の不調 戸別訪問で対応(2012年12月18日)
- [シリーズこころ]震災後の福島で(4)支える側にも心のケアを(2012年12月14日)
- [シリーズこころ]震災後の福島で(3)避難生活で認知症悪化も(2012年12月13日)
- [シリーズこころ]震災後の福島で(2)親の安心 子どもに伝わる(2012年12月12日)
- [シリーズこころ]震災後の福島で(1)被曝を恐れ避難…罪悪感(2012年12月11日)
- 被災地と歩む(4)人口60人の島に巡回診療(2012年8月10日)
- 被災地と歩む(3)特区に単独リハビリ施設(2012年8月9日)
- 被災地と歩む(2)高齢者支える訪問診療(2012年8月8日)
- 被災地と歩む(1)施設に津波…守りきれず(2012年8月7日)
- [暮らしQ&A]冬場の感染症 注意点は(2011年12月27日)
- [暮らしQ&A]支援者の心のケア(2011年12月28日)
- [暮らしQ&A]脚の静脈にできやすい血栓(2011年12月29日)
- [暮らしQ&A]過度の飲酒防ぐには(2011年12月31日)
- [暮らしQ&A]散歩で心身元気に(2012年2月6日)
- 震災から1年(6)津波への対応 大幅見直し(2012年3月14日)
- 震災から1年(5)看護師の生きがい再び(2012年3月13日)
- 震災から1年(4)看護師不足で病床も減少(2012年3月12日)
- 震災から1年(3)仮設医院 「存在」こそ大事(2012年3月9日)
- 震災から1年(2)専門員に相談 心を癒やす(2012年3月8日)
- 震災から1年(1)在宅医療に理解広がる(2012年3月7日)
- 大震災1年 [復興へいま] 医師1人の肩に700人(2012年3月12日)
- 大震災1年 医療の再建 地域差(2012年3月12日)
- 大震災1年 診療所 プレハブで再開(2012年3月12日)
- 大震災1年 看護師「原発不安」で流出(2012年3月12日)
- 大震災1年 高齢者、避難で疲弊(2012年3月12日)
- 大震災1年 要介護認定、福島で急増(2012年3月12日)
- 震災関連病(3)精神的不調 回復焦らず(2011年7月19日)
- 震災関連病(2)塩分過多、不眠 血流悪く(2011年7月18日)
- 震災関連病(1)大量の粉じん 肺炎急増(2011年7月15日)
- [がん共生時代]被災地から(3)孤立した在宅患者を往診(2011年7月5日)
- [がん共生時代]被災地から(2)原発事故で長距離通院(2011年7月4日)
- [がん共生時代]被災地から(1)放射線治療 継続へ転院(2011年7月1日)
- 茨城から(4)県内の病院9割が被害(2011年6月30日)
- 茨城から(3)病院が損傷 入院を中断(2011年6月29日)
- 茨城から(2)薬・器具不足 綱渡り診療(2011年6月28日)
- 茨城から(1)療養型病床 北部で激減(2011年6月27日)
- 続・震災の現場から(4)「眼科バス」に患者集める(2011年5月16日)
- 続・震災の現場から(3)野菜や肉不足 偏る栄養(2011年5月13日)
- 続・震災の現場から(2)2週間、往診ままならず(2011年5月12日)
- 続・震災の現場から(1)派遣チーム「想定外」直面(2011年5月11日)
- 福島から(3)避難で孤立 支援に遅れ(2011年4月30日)
- 福島から(2)避難所生活で病状悪化(2011年4月28日)
- 福島から(1)介助者いない時に津波(2011年4月27日)
- 震災の現場から(13)前線の病院を後方支援(2011年4月8日)
- 震災の現場から(12)地域ごとに異なる課題(2011年4月7日)
- 震災の現場から(11)急がれる衛生状態改善(2011年4月6日)
- 震災の現場から(10)関節リウマチ 心労で悪化(2011年4月5日)
- 震災の現場から(9)安心できる育児の場を(2011年4月4日)
- 震災の現場から(8)地元医師会 夜に巡回診療(2011年4月1日)
- 震災の現場から(7)保健師と派遣団フル活動(2011年3月31日)
- 震災の現場から(6)口内ケアで感染症予防(2011年3月30日)
- 震災の現場から(5)透析受け入れ 新潟が手腕(2011年3月29日)
- 震災の現場から(4)休診続出、医師不足に拍車(2011年3月28日)
- 震災の現場から(3)抗がん剤中断 一人悩む(2011年3月25日)
- 震災の現場から(2)絶望、自責…心の傷深く(2011年3月24日)
- 震災の現場から(1)呼吸器電源 確保に奔走(2011年3月23日)
- 震災に遭った時(6)心のケア「聞き取り」慎重に(2011年3月22日)
- 震災に遭った時(5)放射線量確かめ冷静に(2011年3月21日)

- 震災に遭った時(4)救命まず心臓マッサージ(2011年3月18日)
- 震災に遭った時(3)服用薬の具体名伝えて(2011年3月17日)
- 震災に遭った時(2)厚着して「低体温症」防ぐ(2011年3月16日)
- 震災に遭った時(1)透析患者 水飲み過ぎ禁物(2011年3月15日)

