ニュース
胃粘液の「糖鎖」がん抑制、薬や予防法の開発に期待
信州大研究グループ、米専門誌に発表
胃の粘液に含まれ、糖の分子が鎖状になった物質「糖鎖(とうさ)」に胃がんの発症を抑制する働きがあることを、信州大学医学部(長野県松本市)の中山淳教授(病理学)らの研究グループが突き止めた。
6日付の米医学専門誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」に発表した。今後、糖鎖に着目した薬や予防法の開発が期待できるという。
糖鎖は、糖の分子が鎖状に結びついた化合物で、細胞膜の表面のたんぱく質などと結合し、病気の発症に影響する。
胃の粘液は「表層粘液」と、胃粘膜の下方の細胞で分泌される「腺(せん)粘液」に分類され、腺粘液に糖の分子「α型N―アセチルグルコサミン」を含む糖鎖がある。グループは2004年、糖鎖が胃がんなどを引き起こすピロリ菌の増殖を抑えていることを明らかにした。
今回は、胃粘膜での糖鎖の役割を解明するのが目的。ピロリ菌に感染していない状態で、糖鎖を欠損させたマウスと通常のマウスを比較する実験を行った結果、糖鎖のないマウスは5週間で胃粘膜の炎症が起き、30週で胃がんを発症した。また、早期の胃がん患者では糖鎖の量が低下するか、消失していた。このため、糖鎖は炎症を抑え、がん発症を防いでいると結論づけた。
中山教授は「粘液は粘膜の単なるバリアではないことが分かった。研究結果が、糖鎖の量を増やす薬の開発などにつながることを期待したい」と話している。
(2012年2月8日 読売新聞)
最新医療ニュース
- 名張事件の奥西死刑囚、手錠され点滴治療(5月30日)
- 大阪8病院5300人、非公務員化へ…新機構に(5月30日)
- 医学部新設、医師会が反対投稿要請…神奈川県の意見公募で(5月30日)
- ハイボール飲んで追突事故、病院眼科部長を解雇(5月30日)
- がんの最新知識、カフェ形式で学ぶ
(5月29日) - 「日本型」はしか姿消す、代わりに目立つ欧州型(5月29日)
- がん探知犬を育成する 佐藤 悠二さん(65)
(5月29日) - 肝臓がん、異常遺伝子が原因か…スパコンで解析(5月28日)
- 薬害監視委の創設、民主が議員立法で提出へ(5月28日)
- 文化勲章受章の音楽評論家、吉田秀和さん死去
(5月28日)

