(87)定年前から支出額把握を
「老後の生活費はどう見積もればよいのか」という相談をよく受けます。定年退職後の生活設計にあたっては、現在の生活状況を把握することが大事です。今の生活費を明確にした後、老後の生活をイメージしながら退職後に減る支出、増える支出を考えると、老後の生活費が見えてきます。
50歳代の会社員であれば、毎月の支出が40万円以上という人も多いでしょう。一方、年金生活に入った夫婦の支出は月24万~28万円というのが一般的です。ずいぶん切り詰めた生活と感じるかもしれませんが、食費や光熱・水道費、交通・通信費など実際の生活に必要な支出は、退職前とそれほど変わりません。
50歳代で負担が重いのは、住宅ローンや生命保険料、厚生年金などの社会保険料、積立貯蓄などです。これらは、退職後にはかなり減るのが普通です。住宅ローンは退職金で返済。生命保険料も死亡保障の見直しなどで削減可能です。退職すれば厚生年金の保険料負担もなくなります。
逆に、退職後に増える支出もあります。各家庭で異なりますが、通常は趣味を楽しむための教養娯楽費や保健医療費などです。配偶者が60歳未満の専業主婦なら、国民年金保険料(月約1万5000円)の負担が増える場合もあります。
健康保険料も、勤めていた会社の健康保険組合などに残る「任意継続」だと、会社負担がなくなり全額自己負担です。退職直後は、前年の所得に応じた住民税がかかることにも留意を。
定年前から簡単な家計簿をつけて、支出内容を把握しておくことが大切です。(柳沼正秀、ファイナンシャルプランナー)
(2012年1月25日 読売新聞)
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