医療部発
2011年9月26日
気になる 「見た目」

7月と9月、医療ルネサンスで「見た目の悩み」というシリーズを連載しました。あざややけど、何らかの病気によって、顔や体など外見に症状のある人たちが抱える様々な問題をテーマにしたものです。取材しながら、興味深いことに気づきました。
見た目に症状のある当事者と顔を合わせてすぐの時は、率直にいうと、内心いわゆる「目のやり場に困る」ような感覚に陥りました。「私、不自然に目をそらしてないかな」とか、逆に「患部ばかりに目が行ってないかな」とか、自分の視線の行く先が気になってしょうがないのです。でも、じっくりお話を聞き、その人がこれまで歩んできた人生や、それを経て今考えていることがわかってくると、いつの間にか、気になっていたことが嘘のようにどこかに行ってしまっていました。
自分でも不思議でした。なぜなんでしょうか。多分、相手の人柄に触れ、あふれ出る思いを映しつつ変化していく表情を追ううちに、顔の特徴などどうでもよくなっていったのではないかと思います。そのことを、取材した当事者の一人に打ち明けてみました。相手の人は、「そうそう、わかります。意外とすぐ慣れるんですよね。やっぱり、どんな人間か知らないと、ほかに情報がないから、なおさら見た目が気になってしまうんじゃないでしょうか」と言っていました。確かにそうかもしれない。
とはいっても、やはり見た目の印象は、知らず知らずのうちに重視されているのが現実でしょう。違和感なく受け入れてもらうまでに普通より時間がかかるということは、ハンデに違いありません。それを乗り越えることは、容易でないことかもしれません。そんな困難に挑戦する人たちを、私も心から応援したいと思っています。
高梨ゆき子 社会部で調査報道や厚生労働行政を担当し、2008年12月から医療情報部。医療政策や医療安全を中心に取材。おすすめ映画は「ディア・ドクター」。今年の目標「節酒」。
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- プロフィール
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- 医療部
- 1997年に、医療分野を専門に取材する部署としてスタート。2013年4月に部の名称が「医療情報部」から「医療部」に変りました。長期連載「医療ルネサンス」の反響などについて、医療部の記者が交替で執筆します。
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