医療部発
2011年9月22日
ジェネリック使用、患者は医師と話し合いを

さいたま市の60歳代男性は昨年6月、脳血管に狭さくが見つかったのを機に病院を受診。高血圧改善薬など5種類の薬を飲み始めました。処方箋の「ジェネリックへの変更不可」の欄に主治医の署名があったため、先発薬を使いました。
薬代の自己負担は月3300円。ジェネリックに替えると1000円ほど安くなります。2回目に受診した際、主治医に「ジェネリックを使いたい」と伝えてみました。すると、主治医は「いいですよ。薬局の薬剤師とよく相談してください」と快諾、今度は署名しなかったそうです。それ以来、男性はジェネリックを使っています。
この主治医の考えは本人に取材できないため分かりませんが、「普段は署名をするが、患者の希望があればやめる」という方針のようにも思えます。昨日のブログで紹介した厚生労働省の調査で、署名する理由として「患者の強い要望」を挙げる医師が3割強いましたが、その逆ですね。「患者の強い要望」で署名する医師が3割強いるのだから、「強い要望があれば署名しない」という医師も案外多いかもしれません。
ただ、今回の連載「ジェネリック」で取材した患者の多くは、異口同音に「ジェネリックを使いたい、と自ら医師に頼みにくい」と話していました。「怒られたらどうしよう」などと気後れするのだそうです。
さいたま市の男性も初診時からジェネリックを使いたかったのですが「最初からジェネリックを使いたい、とは言い出せなかった」と振り返ります。しかし、2回目に思い切って頼んだことで、希望通りにジェネリックを使えるようになりました。
今回の取材を通じて痛感したのは、医師と患者の間で十分にコミュニケーションが出来ていない実態です。患者は、自らの意思を主治医にはっきりと伝え、主治医は患者の意思を尊重しつつ、その意思に添えない時は、患者が納得できるように理由を説明する――。そうしたやり取りが、ジェネリックの処方を始め、医療現場にもっと広がることを望んでいます。
竹内芳朗 2010年5月に大阪科学部から医療情報部へ。主な取材対象は認知症、がんなど。人生初の首都圏での在住に気持ちが浮かれている。好物の「関東風だし」のうどん・そばを連日食べている
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
編集方針はこちら。
<編集方針>
投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。
コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。
次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。
- 当ブログとの関係が認められない場合
- 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
- 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
- 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
- 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
- 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
- 事実に反した情報を公開している場合
- 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
- メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
- その他、編集スタッフが不適切と判断した場合
以上、あらかじめ、ご了承ください。
- プロフィール
- 読売新聞東京本社編集局
- 医療部
- 1997年に、医療分野を専門に取材する部署としてスタート。2013年4月に部の名称が「医療情報部」から「医療部」に変りました。長期連載「医療ルネサンス」の反響などについて、医療部の記者が交替で執筆します。
- 最新エントリ
- 最新コメント
- カレンダー
-
日 月 火 水 木 金 土 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 - バックナンバー
- 2013年05月 (0)
- 2013年04月 (5)
- 2013年03月 (4)
- 2013年02月 (3)
- 2013年01月 (0)
- 2012年12月 (1)
- 2012年11月 (2)

コメント
内科医です。
ジェネリック不可について。
ジェネリックは当然先発薬とは異なる薬剤なので、効果が変わったり新たな副作用が出る可能性があります。これは最初に先発薬を投与する際も同じで特にジェネリックが危険ということはないのですが、今、落ち着いている状態で薬剤を変えたくない、面倒だ、というのが医師側の本音でしょう。降圧剤などはこの傾向が強いと思います。また、ジェネリックについてあまりよく知らず、深く考えずに「不可」としている医師も多いのではないでしょうか。
なお、重篤な副作用出現の可能性は先発薬であろうが、ジェネリックであろうが大差ないし、大半は予測不能です。私は薬の副作用が出た患者を多く診察していますが、それについて責任を取った処方医など聞いたことはないし、また、それは不可能だと考えています。
医師と患者とのコミュニケーションについて
「わたしの医見」というのは不満掲示板だと思いますが、かなりの部分がコミュニケーション不足によるものですね。「そんなことここに書いてないで、主治医に言わないと」と思うのですが、診療時間が短すぎるのでしょうか。でも、限られた診療時間内でもコミュニケーションを重視し最大限の説明をしようとしている医師もいる、というとは患者さんにも知っておいていただきたいと思います。
本プログで先日投稿,フランスではジェネリック使用が普通になっていると書いたが,フランスの会計検査院から今週発表のあったレポートでは、ドイツではジェネリック使用がフランスの三倍になっているそう、フランスはドイツにかなりの遅れを取っているのが分かった。ついでながらこの報告によると,フランス人はドイツ人の8倍も精神安定剤を服用しているのだそうで、”花のパリ”があるフランスでも皆が皆バラ色の人生を送っているのではないのだろう。
私は製薬業界関連の仕事をしているが,製薬会社は自社開発製品のパテントが切れ,後発品,すなわちジェネリックが一斉に発売されるのが大変な打撃であるのは言うまでもない。某米系製薬会社の高脂血症剤のパテント切れでフランスだけでも数百人単位の解雇が予告されている。
それでもこのシステムの良い点は、新薬開発により患者が最終的に恩恵を受ける所にある。不治の病といわれる病気の画期的治療薬は開発会社へのインセンティブがあって初めて生まれる。乳癌を経験している私にはより効果の高い薬を、が一番の感心事だ。そして一患者としては、ジェネリックが効かないと思ったり,信頼する主治医が先発品を薦める,のであれば先発品を使えば良いのではないか,と思う。自分の健康は自分で守るしかない。
持病があり20年近く薬を服用しております。 当時はジェネリックなるものなどありませんでした。 最近ジェネリックに変えようと医師に相談したところ、ジェネリックにするなら毎月検査が必要と言われ断念しました。と言うのも今は三ヶ月に一度の検査ですんでたものが、安い薬にしたら毎月の検査代で、逆に医療費が嵩んでしまいます。 お陰様で今は容態も安定しております。私のような慢性病で急激な病変も見られないにも係わらず、ジェネリックの副作用?及び効果が心配みたいです。 今回の記事を読みジェネリック変更には考えさせられました。
少し全体像が視えてきたような気もしますが、おもったよりも値が安くない。三分の一程度、それも安心なら良いですが結果オーライ、何かあったら誰が責任を担うのですか?医師です。医師が署名するか否かです。患者というものは何かあれば医師のせいにするのです。医師もその任を負いたくないので署名するのです。
繋りつけの医者に訊いたところです。無難であり、安全である。敢えてリスクを冒す必要が何処にあるのか?又後薬が全て「等しい」とはおもってない、おもっていれば苦労しない。
気骨のある医師です、telで訊きました。患者でジェネリックでという人は今までいないとの事です。今後そういう患者が言ってくれば、説明して、「万全ではない」と言うそうです。
薬剤師にその任を担わせるのは適切ではない、穿った物の考えだが、これが自分の信念である。と言い切りました。
私は継続してその病院に安心して通院できるということです。