[長野]精神疾患に献身的な支え…宮下医院院長・宮下俊一さん 70(須坂市)
須高地区(須坂市、小布施町、高山村)に精神科医が一人もいなかった1975年、県立須坂病院に着任し、80年には須坂市に県内2番目の精神科診療所を開業した。以来30年以上にわたり献身的な診療を実践。
長野市出身。外科医を目指して研修中、潰瘍で胃の3分の2を切除した17歳の高校生に出会った。当時、胃の疾患の原因がストレスにあるとする学説が言われ始めていた。「ストレスから治療していれば、こんなことにならなかったのでは」―。信州大大学院に入り、精神神経科を学び直した。
71年に大学院を修了後、信州大医学部講師などを経て須坂市に根を下ろした。「患者にとって、行けばすぐに診てもらえることが大事」と考え、開業後は予約を受け付けなかった。1人当たりの診療時間の制限も設けず、患者の話に耳を傾けた。
須高地区内に住む精神疾患患者の家族支援にも乗りだし、1975年の「家族会」の発足に尽力。30年以上にわたって顧問医として助言し続けている。
現在は、1日平均120人を診察し、夜まで患者の話を聞く。県内外で開かれる講演会や勉強会の講師を年間30回ほどこなす一方で、精神疾患の解説本やパンフレットも執筆する。就寝は午前1時を回る毎日。「治療のタイミングをずらさず、予防と早期発見・早期治療を心がけたい」と話した。
(「第39回医療功労賞」=読売新聞社主催、厚生労働省など後援、エーザイ協賛=の受賞者です。2011年1月14日掲載の読売から転載しました)
(2011年7月28日 読売新聞)
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