(16)先進医療特約の利用価値
最近、保険会社の医療保険やがん保険に付加される「先進医療特約」が人気を呼んでいます。「特約をつけるべきかどうか」という質問もよく受けます。
先進医療とは、厚生労働省が承認した高度医療技術のこと。診察料や検査料など通常の診療と共通する部分は公的医療保険が適用されますが、技術料は保険外で、患者の自己負担になります。公的医療保険では、保険診療と保険外診療を併用する混合診療を禁じていますが、先進医療では例外的に認めているのです。先進医療特約は、自己負担となる技術料をカバーします。
例えば、医療費総額が100万円で、その内訳が保険診療部分70万円、先進医療部分30万円だった場合、自己負担は保険診療部分の3割の21万円と先進医療部分の計51万円です。このうち先進医療部分の30万円がカバーされるわけです。
先進医療特約の保険料は月100円程度と安く、魅力的にみえますが、問題は、その恩恵を受ける可能性がどの程度あるか、です。
厚生労働省のデータでは、先進医療の利用者は年間約2万人ですから、日本全体で見れば6000~7000人に1人です。
先進医療費の平均は約33万円。先進的な医療で全額自己負担になれば高額だと思われがちですが、実際に200万円を超えるものは数種類しかないようです。
この数字の受け止め方で、選択も変わります。「保険料に対して利用価値が高い」と思えば特約をつける。反対に「確率的に必要ない」「預貯金で対応できる」と思えばつけなくていいでしょう。(井戸美枝 社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー)
(2010年7月27日 読売新聞)
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