医療相談室
- Question
メニエール病の発作が怖くて、どこにも行けない
2年ほど前、「メニエール病」と診断されました。今は、月に数回めまいの発作を起こし嘔吐(おうと)します。発作が起きている時間は数時間以内です。外出先でめまいの発作が起きるのではないか、と考えるとどこにも行けません。どのような治療が良いでしょうか教えて下さい。(75歳男性)
- Answer
薬物療法と心身リラックス 場合によっては手術も
メニエール病は、回転性めまい、難聴、耳鳴りを発作的に繰り返す病気です。耳の奥にある内耳(音とバランスを感じ取る器官)を満たす内リンパ液が過剰になり、「内リンパ水腫」という状態になって起こると考えられています。
多くの場合、多忙、睡眠不足、職場や家庭内でのトラブルなど精神的・肉体的ストレスなどが背景因子として係わります。そのため、働き盛りの30~40歳代に多い病気ですが、最近は、質問者のように高齢で発症される方が増えているようです。
やはりストレスが背景にあることが多いようですが、その内容は30~40歳代の患者さんと少し異なります。すなわち、定年退職に伴う生活の変化はもちろん、配偶者の病気や介護、配偶者との死別、また自身の健康問題など、高齢者に特有の問題が精神的・肉体的ストレスとなるようです。質問者には、何か思いあたる事はないですか?
メニエール病の治療は、高齢者も若年者も基本的には同じです。めまいや難聴を起している時は、安静を保ちながら抗めまい薬やステロイドホルモン、ビタミンなど内耳循環改善薬を投与します。また、「内リンパ水腫」を改善させるため、利尿剤も使用します。ゲンタマイシンという抗菌薬やステロイドホルモンを鼓膜の裏側にある鼓室内に直接注入する方法もあります。ただし投与量に関しては、過度にならないよう、若年者よりも細心の注意が必要です。
発作が治まったら、睡眠と食事のリズムを整えて、適度な運動(例えばウォーキング)や趣味などでリラックスする時間を持ちましょう。高齢者は眠りが浅くなりがちですが、寝つきがよいことと睡眠時間を十分に取ることは欠かせません。規則正しい生活をおくり、できるだけストレスから遠ざかることが、メニエール病発作の反復を予防します。質問者の場合、この部分が非常に重要だと思います。
日常生活の中で、心身ともにリラックスできるよう工夫されてはいかがでしょうか。もし、ストレスがかなり強いようであえば、抗不安薬や抗うつ薬の服用も効果があるでしょう。それでも発作を繰り返すようであれば、手術治療(内リンパのう開放術)という選択肢もありますので、専門医に相談されるとよいと思います。
(2010年7月30日 読売新聞)
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