石井苗子の健康術
2010年6月29日
PPC健康法・・ PPCとはなんの略でしょう?

(死ぬ時まで元気に暮らす。どうしたらそうできるのか。PPC健康法とは“住まい方”のことです)
「高齢者体験プログラム検討委員会」のメンバーになりました。ミッション名が「PPCプロジェクト」だったので、「なんの言葉の略ですか?」と委員から質問がでました。すると「ピンピンコロリです」というお答え。殺虫剤の名前じゃないんだからと、以後「元気に暮らし続けるための住まいとはどんなものかを考える委員会」に変更。住宅をどう改造すればピンピンコロリになれるかを体験できるプログラムを考える委員会ということです。
人間に現れる老化を、1.外に現れる老化(足腰の衰え、視力低下など)2.内なる老化(消化器官・神経系・血管の老化や高血圧など)3.精神機能の老化(認知症などの症状)に分け、家の中でこれらを抱えながら暮らすと、どんな不便を感じるかを体験するシュミレーションプログラムを考えました。今、東京ガス新宿ショールームに行くと我々のアイデアが体験できます。
問題は、専門家が答えを出しても、住居者がいつその気になるかです。
住み慣れた住まいを改造しようとは、なかなか思わないものです。事故が起きて初めて「なんとかしなければ」と考えるから事故が起こるのであって、そのイタチゴッコにストップをかけるためには、かなり強い印象に残る体験をしてもらい「予防しなければ!」という気持ちを起こさせなければならない。
なのでショールームでは足に重りをつけて階段を上がってもらったり、車椅子に乗って家の中を移動してもらったり、冷たい水に手をいれて血圧の変化を体験してもらうなど、1と2はたくさんアイデアが出ました。予防も、段差解消、開き戸から引き戸へ、階段に手すり、段差にカラーコントラスト、すべりにくい床、部屋の温度差解消、こたつから床暖房、安全なお風呂などたくさん出たのですが、3の精神機能の衰えの体験と予防は難航しました。認知症体験として、家の中でトイレが解らなくなったかのような気分を体験する、ちょっと怖い体験ビデオを見てもらうことになったのですが、それが良いことかどうかで議論になりました。
結論は見てもらい、予防の段で「料理を自分でしましょう」とキッチンの改造につなげることになったのです。ここである委員から「主婦は早く料理から解放されて外でおいしいものが食べたいのに、また料理をしましょうとは疑問」と意見が出て、「夫婦で楽しく一緒に料理」とか「台所からキッチンリビングへ」などのキャッチフレーズ変更は出ました。でも、どうして料理なのかということです。
助け舟と思って私は、うつ状態に陥ると、判断力、記憶力、集中力、意欲の4つが最初に低迷してきます。それを料理の工程で確認するという仕掛けはどうかと発言しましたが、料理以外だったら集中できることもあると反撃をくらいました。読者のみなさん、もしショールームに行かれたら体験のご感想を下さい。
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コメント
高齢になったからと言って、おばあちゃんからお料理を取り上げてはならない、と聞きます。味やメニューが他の家族と合わなくなっても交代制にするとか、自分の分だけは作ってもらうとか工夫されてる話を聞きます。
料理は頭も身体もすごく使います。まず頭で、メニューを決める、材料の確認、在庫確認、買い物でも予算を考え、手足や目を使って、調理で手順を考え、手や口を使います。
確かに主婦は料理から解放されたいというのは確かですが、外食に感謝の気持と喜びを感じられるのも常に料理している主婦だからこそだと思います。
義務感だけだと辛いですが、人に喜んでもらったり、料理を楽しくできる工夫のあるキッチンは大切だと思います。夫婦、友人と一緒に調理できるキッチンていいですね。
ある高齢者のグループホームでは、あえて料理の手伝いをしてもらっているということでした。認知症が進んでも料理は手馴れた包丁さばきで生き生きとされるというお話でしたよ。