(20)冷蔵庫に食べ物あるのに…
タミさん(仮名)(80)は、2年前にアルツハイマー型認知症と診断されました。それ以来、近くに住む娘さんは、毎日訪ねるようにして、一人暮らしを続けられるように応援してきました。
ある日、娘さんが訪れた時、近所の人から、「お宅のお母様が食べ物をもらいに、顔見知りの人を訪ねて回っていますよ」と言われました。
認知症があることはわかっていましたが、何でそんなことをするのかわからず、介護の専門職に相談しました。
娘さんは、タミさんが食べ物に困らないように、冷蔵庫に食べ物を入れていました。ですが、専門職と原因を探った結果、冷蔵庫を開けるという行為そのものを忘れてしまうことがあること、また、開けることができたとしても、娘さんの入れ方では、タミさんには「食べ物だ」と認識ができていないことがわかりました。
そこで娘さんは、冷蔵庫の扉に大きく「冷蔵庫」「食べ物が入っている」と表示し、冷蔵庫を開けるとすぐに食べ物だとわかるように、食べ物を寝かせて置くのではなく、立てかけるように置いてみました。
するとタミさんは、近所を回って食べ物を頼むこともなくなりました。ご本人に合わせた「環境設定」をすることが大事なのです。(和田行男、介護福祉士)
(2010年1月26日 読売新聞)
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