(17)大切な物は一緒に探す
認知症になると、大切な物を置いた場所を忘れて、「ない、ない」と騒ぎがちです。身近にいる「嫁が
大切な物をしまう行為の背景には、「他人を疑っているから」という面があります。そう考えれば、身近な人にまず疑いの目を向けるのは、やむを得ないところもあると言えるでしょう。
疑っているからしまう。しまうから目につかなくなる。目につかなくても、どこかにしまったことを覚えていれば「ない」とは言いません。ですが、認知症では、しまったこと自体を忘れてしまうため、「ない」と言い出してもおかしくないのです。
そんな時、仕方ないなと思いながら、「私が探してあげましょう」と言って見事に探し出し、「ほら、あったじゃありませんか」と得意げに振る舞いがちです。しかし、そこに落とし穴があります。
「あれほど探しても見つからなかったのに、なぜ嫁は簡単に見つけられたのか」とうたぐり、「きっと盗んだことがばれたと思って、出してきたに違いない」と勘ぐられてもおかしくありません。
せっかく探してあげてもこれでは台無し。必ず一緒に探すようにするか、何か手立てを講じて本人が「自分で見つけた」という結果を作ることが大事なのです。(和田行男、介護福祉士)
(2009年12月8日 読売新聞)
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