高齢者の性・ブログ
2010年1月25日
加齢による男性ホルモン減少、性欲に影響も
比較的若い世代の話題が続いたので、今回は、更年期以降の性欲についてです。心のすれ違いがセックスの拒否につながることは何度も書いてきたのですが、男女とも、加齢による男性ホルモンの減少が性欲を失わせることもあります。パートナーのことを愛しているのに、どうしてもその気になれないという場合、そんな可能性を疑ってもいいのかもしれません。
何回かご投稿いただいているk—kさんの文章を読んで、8月の連載で、性欲を取り戻すために、男性ホルモンを補充する方法を紹介したのを思い出しました。このブログの8月の記事として掲載されています。(記事はこちら)
連載でも書きましたが、女性は、エストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンだけでなく、男性ホルモンであるテストステロンも分泌しています。このテストステロン、性欲や性的な快感にも大きく関係していて、乳首や外陰部にある受容体に作用して、快感を引き起こします。生きる活力にも関係します。
女性ホルモンが閉経と共に一気に減ってしまうのに対して、男性ホルモンの方は加齢とともにゆっくり減っていきます。女性の場合、閉経で、男性ホルモンの比率が急激に増すことになります。男性ホルモンの作用に詳しい札幌医大名誉教授の熊本悦明さんによると、閉経後の女性が気が強くなったり、ひげが生えたりするのは、男性ホルモンの影響の方が強くなるからなんだそうです。
「男の方は男性ホルモンが減るだけだから、気が弱くなってく。定年後の夫婦を見ると、だいたい奥さんが強いでしょ。このごろお母さん強くなったなあ、というのはホルモンのバランスが関係しているんですよ」と熊本先生。周囲を見渡すと、なるほどと思えるカップルもたくさんいるような・・・。ちょっと話がずれました。
男性の場合、男性ホルモンが極端に減ることによる更年期症状は、記事でも書いたように、うつ状態や性機能障害として現れることが多いそうです。
記事では、男女それぞれに対する男性ホルモンの補充療法を紹介したのですが、反響のお手紙のほとんどは、「妻に使わせたいので、商品名を教えてくれ。どこで手に入るか」という男性の声でした。
こうした反響を読んで心配になったのは、実際は、思いやりのない夫に愛想を尽かして妻が拒否しているのに、それに気づこうともしないで、夫が妻に薬を強要することがないだろうかということでした。そんな使われ方をしたら、余計、関係が悪化することが予想されます。
それに、重要なことですが、記事で紹介したクリーム剤の場合、市販薬とは言え、女性の性欲亢進には適応外です。元々、男性の勃起力、性欲亢進のための薬で、女性の場合は、「恥部無毛症」「乳汁の分泌抑制」だけに効果が保証されています。
また、女性の場合、声が枯れる、ひげが濃くなる、かぶれる、などの副作用がある人もいます。女性ホルモン補充療法と同様、わずかとはいえ、乳がんなどのリスクも否定しきれていません。使用には、医師の観察と指導が不可欠です。
そんなリスクも検討したうえで、治療を受けるかどうかは当人が決めることです。その判断には、二人の関係が大きく影響するでしょう。記事に出てきた女性は、夫のことが大好きで、夫も常に妻への愛の言葉を忘れない人でした。だから、女性は、夫の思いに応えてあげたいという一心で、治療を受けたんです。
相手がある性というテーマでは、治療法にしても、薬効や副作用だけを紹介するのではなく、どんな関係性が大事なのかまで書き込めればと思っています。
ちなみにクリーム剤の名前は「グローミン」(大東製薬工業、問い合わせ先:info@daito-p.co.jp)です。女性に処方している医師をここで教えてもらえますので、必ず、十分な説明を受けたうえで、医師の指導の下お使い下さい。
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