医療情報部発
2009年11月4日
酒とたばこと食道がん

「酒を飲むとすぐに顔が赤くなるタイプの人ほど、飲酒で食道がんになりやすい」
読売新聞朝刊「医療ルネサンス-食道がん 最新事情」(10月20日)にそう書いたところ、ある男性読者から「初めて聞くことなので心配になりました。本当でしょうか?」とFAXが届いた。
電話でお答えしたが、もちろん本当だ。世界保健機関(WHO)は2007年、こんな研究結果をイギリスの医学誌に発表している。
「飲酒で顔が赤くなりやすい人の食道がんの発症率は、赤くならない人に比べて最大12倍」
今回の連載には、飲酒と食道がんとの関係が「思い当たる」という体験談も寄せられた。
「酒を飲むと顔はすぐに真っ赤になるが、酒は毎日3~4合、たばこは1日に1~2箱を39年間休まずに続けてきた。これがいけなかったのかと今は思う」
この男性は食道がんが見つかり、5年前に手術で食道全部と胃の一部を切除した。今は元気に暮らしているそうだ。
一方、別の女性は今年の夏、67歳の夫を食道がんで亡くした。普段は健康だったし、3か月に1回、近くの医院で受ける血液検査でも特に異常はなかったので、内視鏡検査は受けなかったという。
「喫煙と、弱いお酒を少量たしなみ、真っ赤になっていたのが、確率を高めたのだと思います。もっと情報を知っていれば、早く内視鏡検査を受けさせていたのに、と後悔ばかりです」とつづる。
お二人に共通するのは、「酒に弱い」ばかりではなく、「喫煙」の習慣があったこと。飲酒に喫煙が加わると、食道がん発症の危険率がぐんとアップする。国内でも今年、こんな研究結果が発表された。
「お酒に弱い人(ある二つの酵素の働きが弱い人)が、1日缶ビール1本以上の飲酒と喫煙をすると、お酒に強く飲酒・喫煙をしない人に比べ、食道がんのリスクが190倍も高くなる」
すぐ赤くなるけど酒好きで、たばこを吸うそこのあなた! 50歳を過ぎたら毎年、内視鏡検査を受けた方が良さそうですよ!
山口博弥(やまぐち・ひろや) 1997年から医療情報部。胃がん、小児医療制度、高齢者の健康、心のケアなどを取材してきた。自称・武道家。
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コメント
>竹脇無我さま
意味が分からない方のために説明しますと、もちろん俳優の竹脇無我さんではありません。カット写真の撮影のため、禁煙中なのにたばこを吸ってくれた大学時代の友人です。
ご協力、ありがとう!
>向井さま
原稿で紹介した国内調査によると、喫煙せずに酒が強い人が、食道がんになるリスクは最も少ないのはたしかです。でも、強いからといって飲み過ぎにはくれぐれもご用心!
>かんちゃんさま
1年の新規患者は胃がんが11万人、大腸がん10万人、肺がん8万人に対し、食道がんは1万6000人なので、確率は低いのですが、気を付けるに越したことはないですね。
「すぐ赤くなるけど酒好きで」というのはまさに私のことなので、心配になりました。。。。(たばこは吸いませんが)
はやめの検査をこころがけたいと思います。ありがとうございました。
酒とたばこは体によろしくないのは知っていましたが、こうも具体的に12倍のリスク、などと言われると、結構衝撃的です。
反対に、アルコール分解能力が高いと、がんになりにくいのか!?
喫煙せず酒に強い小生は、がんにも強い?
と、つい都合のよい飛躍をしてしまいました。
私に無理やり、タバコを勧めたのは、山口さんではありませんか(笑)